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Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇完】 ( No.502 )
日時: 2014/02/12 22:00
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)

another story NO.7『桐谷涼子』


この話が更新されたのは2月12日。つまり、もうすぐバレンタインデーだから今回のanother storyもバレンタインのことをやるのである。

以前は蔵良でやったが、今回は桐谷涼子が主人公である。


高1のバレンタイン。学校で涼太は大量のチョコをもらって帰って来た。そのチョコレートは一人でさばききれるものではない。故に涼子も食べているのである。


涼子:こんだけ食べてたら鼻血出ちゃうよ。流石は涼太だね〜、モッテモテ。

敦子:りょーくんは相変わらずみたいだねぇ。けど、あっくんも一部の女子からはモテてるんだよ〜。

涼子:一部?

敦子:料理好きの女の子とか〜、背が高い男が好みの女とか〜。

涼子:あ〜、なるほどね。けど、あっくんってああ見えて頭も結構いいし、料理も出来るし、のんびり屋だけど色々気が利くし・・・いい旦那になる気がするんだよね〜。


と、桐谷家で敦子と一緒に涼太のチョコを処理中であった。涼太もなるべくすべて自分で食べたいと思っているのだが、手作りが大半なため、大半のチョコを早めに処理しなければならない。よって、涼子や敦子にも協力してもらっているのである。


涼子:でも、いいな〜涼太は。チョコをこれだけもらってるってことは・・・これだけ多くの人に認識されるんでしょ?私は日陰者じゃん。別に、不服ってわけじゃないんだけど・・・羨ましいな〜と思った。

敦子:ふ〜ん、私はそういう風に思ったことないな〜。けどりょーちゃんだってモテるんでしょ?桐谷涼子、モッテモテ〜

涼子:まっさか〜、大体私男の知り合いが少ないんだよ。だからモテるモテない以前に、そ〜いう関係にならないでしょ。私、天邪鬼だし。

敦子:ふ〜ん、ま、私には関係ないな〜。天邪鬼であれなんであれ・・・


と言いながらチョコを口の中に含める。そして茶色くなった指をペロッと舐める。その姿は幼い女の子のようだった。


敦子:私は日陰者で結構だな〜。の〜んびり、気楽に生きていられれば、それで満足だもん。な〜んも気にならないよ。

涼子:ホント、あっちゃんが羨ましいよ〜〜〜そのポジティブシンキング


バレンタイン。一番涼太がこの世に存在してることがわかる日。色々な人に認識されているため、様々な人からチョコをもらっている。本人は半分迷惑がってるが、私は羨ましい。

もう、天邪鬼を16年もやってるってのに・・・ふとした時にこう思うんだ。



涼子:じゃあ今日は付き合ってくれてありがとうね、あっちゃん!助かったよ!

敦子:うん、こっちもチョコくれてありがと。じゃあねぇ。


そして・・・・・母・美奈と姉・美里と共に夕食を食べていた。


涼子:う〜ん、たくさんチョコさばいてたからあんま食欲ないや。

美奈:ダメよ涼子。ちゃんと食べないと栄養的によくないわ。

美里:けど毎年毎年大変ね〜。本当に一人で捌ききれる量じゃないもんね。モテるって大変ね。

涼子:全く・・・・・・アイツ、自分にもっと自信持つべきなのよ。こんなにチョコもらってんだからモテてるに決まってんじゃん。なのにアイツは結局はネガティブシンキングなのよ。私なんて今はやりの友チョコだってもらえないんだもん。ズルいもん。

美奈:いや〜、そんなことはな・・・

美里:コホン!全くよね。全国のブサメンを敵に回す発言ばっかしてんのよね、アイツ。ほんと、心配になってくるわ。涼子〜、そういう面はアンタに任せるからね。

涼子:・・・・・・うん。



なんか今、お母さんがいいかけたな。何を言おうとしたんだろう。変なお母さんとお姉ちゃん。




涼子:ふー、今年もバレンタインデーは終わったね〜。今年は・・・80個だって。すごいね。来年は100個突破するんじゃないの?

涼太:あ〜、これ以上増えてほしくねぇんだけどな。涼子も今年はもらったじゃねぇか。2つ。

涼子:え?2つ?

涼太:ああ。2つだろ?じゃ、おやすみ。


なんかよくわからないこと言われた。そして私は、私の体のまま布団に入ろうとした。そうしたら気づかなかったけど枕元に小さな箱が置いてあった。




『happy valentine's day』





誰からだろう。そう思って箱の裏を見てみたら・・・そこには・・・



“涼子へ・母と姉より”






そうか・・・・・・日陰者とかなんかネガティブになってたけど・・・私はちゃんと・・・・・・愛されていたんだ。







続く