コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇完】 ( No.512 )
- 日時: 2014/03/01 19:02
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)
NO.73『キレますよ?』
翌日・・・朝のHR。麻美は選挙の告知のプリントを皆に配っていた。
麻美:えっと、来週月曜日の放課後に生徒会役員選挙があります。このプリントに書いてある通りなので・・・あの・・・お願いします。えと・・・最後に・・・
このとき、麻美は昨日、涼太に言われたことを思い出した。
涼太:これだから最近の奴はダメなんだ。皆と友達になれない?違うね。大事なのは皆と友達になることじゃない。何でも言い合える唯一無二の友達を作ることが大事なんだ。多く作る必要はない。一人でもそういう友達を作ればいいんだ。
麻美:でも・・・それも難しい・・・ですよね。
涼太:そうだね。俺も友達作るのは苦労したからわかるよ。だけど、ここまで来たら自分から行動しないと。待ってるだけじゃダメだ。
麻美:じゃあどうすれば・・・
涼太:その答えは自分で見つけな。アドバイスはしといたから。あと、も一つアドバイスしておくと・・・浜名さん、皆と話す機会はあるんじゃない?
麻美:どういう・・・
そう言い残して彼は去っていった。そして皆と話す機会・・・それは翌日にすぐわかることとなったのである。
麻美:最後に個人的なことなんですけど・・・わ、私!と、友達がほしいです!そ、その・・・あ、あとで皆さんに声かけるかもですけど・・・そ、その・・・えっと・・・
何を言ってるんだ。自分でもそう思った。こんなこと言ったら普通に茶化されちゃうだけじゃん。そう思った。だがすぐに・・・
女の子A:私も!浜名さん美人で帰国子女だから話しかけにくかったけど、そういうことなら大歓迎だよ!ね!
女の子B:うん!友達になろ!
優しい人がいたものだ。やはり、そういう人と巡り会うためには自分から行かなきゃダメだ。そう知った。そのHRのあと、私は日本で初めての友達が出来ることとなった。それからだ。涼太先輩に敬意を払うこととなったのは。
涼子:やっぱ学生って大変だねぇ。
麻美:あなたもパッと見学生なのでは?
涼子:あ、ああ・・・そうだね。う〜ん、何とかしてあげたいトコだけど・・・いじめ問題ってやっぱ自分で解決しなきゃダメなんだよね。
当然の反応。涼太先輩のごとく、何かいいアドバイスを期待してしまった。赤の他人たる彼女に何でそんな期待をしてしまったのか謎だけど・・・
そして麻美は何も言わずに帰ろうとした。そうしたら涼子は口を開いた。
涼子:そういう奴らは、目立つこと覚悟で喧嘩した方がやっぱいいと思うよ。一発殴ってスカッとしなよ。
麻美:あ、あなたみたいな性格じゃないんですよ!私は!そんなことしたらまたいじめがエスカレートするだけじゃないですか!
涼子:だからって・・・じっと耐えてウジウジウジウジしてるくらいなら、行動した方がマシよ。確かにするには勇気がいる。だけど、一歩踏み出そうともしない奴が変われるわけないでしょ?
麻美:・・・・・・・・・・
涼子:まあ確かに、また新たにいじめが起きるのは面倒くさいから、やる時は・・・
麻美に何かを手渡し、そして耳元で聞き取れるか取れないかという微妙な声量で何かを発した。
麻美:こ、これって・・・
涼子:じゃ、頑張ってね!麻美ちゃん!
そう言って去っていってしまった。あの人・・・見た目と違って相当・・・
翌日。
ボロボロの鞄のまま登校した。そして来てそうそう、それを見た女子2人が聞こえる声量で陰口をたたいていた。
いじめっ子A:な〜にあの鞄。ボロボロ。洒落気のかけらもないわね〜。
いじめっ子B:本当ね。お金持ちなんだから、新しいの買ってもらえばいいんじゃないの?
ふぅ・・・麻美は少し息を吐いてこう言った。
麻美:言いたいことがあるなら目を見てはっきり喋ったらどうですか?
いじめっ子A:何?怖い、別に何も言ってないわよ。ねぇ皆、私たち、何か言った?
クラスの人に問いかけたが、誰も何も言わなかった。新たなターゲットになるのを恐れたのだろう。
いじめっ子A:ほら、皆何も言ってないってさ。なんか勘違いしてんじゃないの?
麻美:そろそろ・・・キレますよ?鞄をボロボロにしたのもあなた達でしょう?私見てましたよ!弁償してくださいよ!
いじめっ子A:何言ってるのよ。馬鹿みたい。私がやったって証拠どこにあるのよ。私だってキレるわよ。
麻美:そうですか・・・認める気はゼロですか。じゃあ、本当にそろそろキレるとしますか。
と言って麻美はポケットからカッターを取り出した。その瞬間、クラス中がざわっとした。
いじめっ子B:あ・・・あ・・・
麻美:今日ですべて・・・終わりにします!
続く