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Re: 彼は天邪鬼 【陰陽師篇完】 ( No.517 )
日時: 2014/03/06 21:28
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

NO.74『単にお人好しなだけよ』


いじめっ子B:ちょ、ヤバイんじゃないの!な、何するの!

麻美:キレたって言ったじゃないですか。もう疲れました。これであなた達切って終わりにします。

いじめっ子A:い、今までのアレは・・・あ、遊びよ遊び!ジョークに決まってるじゃん!何本気になってるの?

麻美:遊び?鞄を切り刻んだり、画鋲を靴の中に敷き詰めたりしたのも冗談ってことですか?



麻美はカッターを持ちながら一歩一歩いじめっ子たちに近づいた。




いじめっ子A:そ、そうよ!だからそんなマジにならなくても・・・ち、近寄らないで!

麻美:・・・・・・・・・・ありがとうございます。

いじめっ子A&B:え?

麻美:今の会話、すべて録音させていただきました。これを今すぐ先生に提出し・・・いや、それより先にあなたの片思いの相手、涼太先輩に渡しちゃいますか。


ポケットから録音機を出した。


麻美:さて、これを先生・・・いえ、まずはあなた達のご両親に送るとしましょうか・・・

いじめっ子A:で、でも!アンタだって刃物持ち歩いてたじゃない!あなただって問題あるんじゃないの?

麻美:刃物?あ、これですか?これ、刃物じゃありませんよ。ほら。


と言ってカッターナイフをいじめっ子Aに投げつけた。危なっと思い、少しひるんだいじめっ子Aだったが、それを受け取った瞬間、そんな思いは吹っ飛んだ。


いじめっ子A:何これ・・・刃物じゃない?

麻美:それ、厚紙で出来てるんです。流石に刃物を振り回すのは私も嫌だったので・・・と、言うことで。


麻美はいじめっ子2人に近づいてこう言った。


麻美:次なんかしたらこればらまくから。いや、それ以前に・・・ぶん殴る。






帰りに昨日のごとく公園へ立ち寄った。涼子がいることを期待したのだ。だが、そこには誰もいなかった。


なぜ私は彼女がいることを期待したのだろう。涼太先輩のときもそうだった。基本的に人を信じないタイプなんだけど・・・なぜか信頼できる人。だから、浮いてても彼の周りには人が集まる。


馬鹿っぽいと思い麻美は帰ろうとした。そうしたら後ろから声をかけられた。



涼子:あ、麻美ちゃんじゃん!こんばんは!

麻美:涼子さん・・・でしたよね。なぜここに?

涼子:ん?別に?何となく麻美ちゃんが来ると思ってね。いじめ、大丈夫だった?

麻美:はい・・・しかしなぜこんなカッターナイフを持っていたのですか?

涼子:いや〜、昔少し拉致られそうになってね・・・脅し程度だけど携帯してるのよ。

麻美:はあ・・・



拉致られそうになった件は・・・最初の方の辻屋参照。



麻美:あの・・・

涼子:ん?

麻美:その・・・何で見知らぬ私を助けてくれたんですか?

涼子:あ〜、単にお人好しなだけよ。それに私たち、もう見知らぬ赤の他人じゃないでしょ。


と言ってその美人はにっこり笑った。その笑顔はまさに天使のよう、女である麻美も少し見とれて顔を赤くした。


麻美:そ、それじゃあ・・・あの、今度ゆっくりお礼させてください。その・・・

涼子:あ〜、いらないよ。それじゃ、桐谷涼太によろしくね!


と言って涼子は去っていった。


ん?涼太先輩とはどういう関係なんだ?確かに雰囲気にてるし・・・兄弟とか・・・なのかな?



こうして私の長かった2日間は終わった。







ここはとある山奥。そこには巫女の格好をした女の子と学ランを着た少年がいた。




イザナギ:ねぇ、いつまでここでじっとしてるの?

イザナミ:うん・・・そろそろ身体もなじんできたし・・・行動してもいいかもしれないね。

イザナギ:まずは誰から行く?強い奴からいったほうがいいのかな?

イザナミ:まあ待て。天邪鬼は全員で6人。その中、オールマイティになんでも出来るのが涼太くんと蔵之介くん、サポート重視が智くん、頭脳派が正義くん・・・そしてクソ強いのが裕輝くんと敦くんかな。

イザナギ:ふ〜ん、じゃあ裕輝か敦から行く?

イザナミ:うん・・・そうなんだけど、一番厄介な男は間違えなく赤西正義なんだよ。俺でもゾッとするくらいヤバイ奴なんだ。それに彼は今他の5人と遠く離れたところにいる。彼を一番最初にやった方がいいと思うな。

イザナギ:へぇ・・・じゃあ俺行ってくる。

イザナミ:だから待て。何のために俺が陰陽師と強いパイプを持ってると思ってる。俺たちよりまず先に、人間を動かす。そうすれば自ずと天邪鬼は・・・追い詰められる。じゃ、まずは京に行くぞ。鬼よ。

イザナギ:いいよ、かぐやちゃん。





天邪鬼追放篇・こうご期待。







続く