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Re: 彼は天邪鬼  ( No.528 )
日時: 2014/03/17 19:13
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: 5K27D2Vq)

NO.76『私も言いたいことあるの!』


優莉:アレ?雷じゃん。まだ学校にいたんだ。どっしたの?

雷:いや・・・俺も偶然用があってまだ学校にいてな、まあ久々に一緒に帰らないか。ほら、コーヒーやるから。部活お疲れさん。

優莉:う、うん・・・ありがと。

放課後。雷は部活終わりの優莉と一緒に下校することになった。そしてもちろん・・・


慎二:ちょ、見えない。桐谷邪魔。

涼太:そんな前に出るとバレるの。つーか俺、帰ってもいいかな?

真白:バカヤロー主人公いなくなったら小説成立しねぇんだよ。イケメンはここにいようか。

黒鉄:馬鹿馬鹿しい・・・俺は帰る・・・

真白:別にいいけど、お前この後ウチん家来るんだよね?

涼太:いや、何ウチん家って言ってんの・・・白さんおかしいでしょ。俺ん家・・・

真白:一回来たことあるとはいえ、どこにあるのかわかってんの?




え?



涼太:いや、一度来たらだいたい大丈夫じゃ・・・

真白:それがそうも行かないのさ。最後に来たのはだいぶ前ってのもあるけど、こいつは無理なんだよ。方向音痴だから。




え?はああああ!?




慎二:先生・・・方向音痴なの?

黒鉄:昔の話すんな。

真白:方向音痴っつーのはなかなか直らないモンだぜ。私がガキの頃は何度迷子のお前を捜したかわかったもんじゃねぇぞ。で、ここにいるの?いないの?

黒鉄:・・・・・・明日は夜に仕事あるし・・・しゃあねぇな。

涼太:認めた・・・方向音痴ってこと認めたよ先生。

慎二:にしし・・・ツイッターでつぶや・・・

黒鉄:古畑・・・バラしたらどうなるかわかってんだろうな。


とドスを利かせた声で慎二に念押しをした。さすがの慎二もヤバイと思ってやめておいた。

まあこの際黒さんが方向音痴なのはいい。主役は佐倉雷くんなので。


雷は優莉と並んで歩いていた。特に会話などもせず。


優莉の方はちらちら雷のことを見ている。まあ急に一緒に帰ろうと言い出したのだ、何かあると勘ぐっている。一方雷の方は、急にノリとはいえ告ることになったので無茶苦茶緊張している。と言うことで沈黙が続いているのである。

そんな沈黙に耐えきれず、優莉ちゃんの方が口を開くのであった。


優莉:ねぇ・・・何で一緒に帰ろうって誘ってくれたの?

雷:いや・・・まあ、その・・・なんだ。ちょっと話したいことがあってだな。

優莉:話したいこと?


雷は優莉の方を向いた。その顔は少し赤かった。

そして陰で見てるアホ共は・・・



慎二:お、ようやく告るのかな?でも道端ってのはよくないんじゃないの?

真白:いや、まだ告りませんよ。まずアイツはこの後、近くの公園に立ち寄る。

涼太:公園?

真白:そして、告るまでなんか色々喋る。5分くらいかな。

黒鉄:雑だな。アイツ口数少ないしそんな喋れんのか。つーか公園って?

真白:ここから公園へ行くのに約5分。しかも帰り道にあるから全く怪しまれないだろ?

涼太:いや、俺なら怪しむね。

真白:そして優莉ちゃんがコーヒーを飲んでから今、だいたい30分前後。後10分くらいで全身にカフェインが回り・・・説得されやすくなる。そして今は夜、生理的効用状態になりやすいんだよ。つーことで、後10分くらいでベストコンディションなんだよ。

黒鉄:なんか・・・ゲスいな。


そして・・・時は来た。


雷:あのさ・・・その、俺・・・

優莉:あのさ雷!雷はなんか話があるみたいだけど、私も言いたいことあるの!



は?



真白:待って・・・この状況ってまさか・・・



優莉:わ、わ、私・・・その!雷のこと好き!お、幼なじみを超えて、こ、こ、恋人になってください!





ぎゃ・・・逆告白だァァァァァ!





あんな準備したのに・・・マジかよ!マジかよ!一同は皆呆然とした。




涼太:そうや・・・両思いだったもんね。お二人さん。

慎二:佐倉が・・・あのクールで無愛想で顔以外女子でモテる要素全くない佐倉が・・・リア充になる・・・

涼太:いや、問題そこ?



雷:あ・・・うん。お、俺が言おうとしたこと・・・先こされた・・・

優莉:え・・・ってことは・・・






ここに一つ、カップルが誕生した。






涼太:いや、古畑、元気出せよ。

慎二:なんてこった・・・あの佐倉が・・・佐倉が・・・

真白:少年、青春を謳歌しろよ。

黒鉄:あそこの少年に心理テクを駆使させようとした奴が何言ってんだ。




桐谷宅



真白:で、話って何よ?佐倉君の件で忘れそうになったけど。

黒鉄:いや、おそらくイザナミが動き出した。俺の元部下に色々聞いて・・・最近巫女の格好をした女が松坂本家を出入りしてるらしい。

真白:ほ〜、じゃあこっちも戦闘準備だけはしとこうか。

黒鉄:おそらく・・・百鬼の夜みたいな激戦になるだろうな。問題は桐谷たちだけじゃねぇ。俺たちの手で納めるぞ。

真白:わかってるよ。大人が何とかするべきだからな。

黒鉄:・・・・・・それで、少し今から変なこと言うけど笑うなよ。

真白:あ?



ボソッ・・・



真白:え?

黒鉄:そんだけだ。じゃあな。



驚いた顔をした白さんは黒さんを見送った。そして黒さんが見えなくなった瞬間、ふっと笑みを浮かべた。







続く