コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 ( No.531 )
- 日時: 2014/03/20 23:21
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)
NO.77『あ、あの!』
北川先生:つーことで、内申書を返したし、今日はこれで終わりだ。と言うことで、今日でお前らの担任は終わりだ。だが、来年は3年だ。いくら厳しくない先生に当たったとしても気を抜くなよ。特に古畑。
慎二:うえっ!なんで俺ッスか?
北川先生:何?テメェの態度と成績的に当然だろうが。受験生になるんだ。たるんでるとマジで死ぬぞ。
慎二:み、見くびんなよ!今から勉強するから!
北川先生:たるんだ奴は皆そう言うんだよ。と言うことで、3年になっても頑張れよ!お前ら!
と言うことで本日修了式。内申書を返却したため、皆なかなか成績の話をしてくる。この男も例外ではなく・・・
慎二:天才く〜ん!お前、成績どうだった?
涼太:まあ少なくともお前よりはいいと思うけど?
慎二:・・・・・・何その目、俺の成績・・・ひょっとして興味ない?
涼太:当たり前だろ。正直誰の成績も興味ねぇよ。
慎二:ふ〜ん・・・・・・そうだ!桐谷!この後暇だろ?カラオケ行こうぜカラオケ!
涼太:別にいいけど・・・勉強するんじゃねぇの?
慎二:明日から頑張る。
といきなりダメ発言をする慎二君。この分では明日も勉強しないなと涼太は思った。
華:ハァ・・・なんか・・・微妙な成績だったな。
と靴箱では沢田華ちゃんがため息をついていた。そしてそんな中・・・
慎二:なあなあ!なっちゃん誘おうぜ!あと、涼子ちゃん誘おうぜ!
涼太:どうやって?
慎二:・・・なっちゃんはお前が頑張ればいいじゃん。連絡しろよ、イケメンくん。
涼太:おそらくもれなく久利生もついてくるぞ。なっちゃんと会う時基本久利生がセットでついてた気がする。
慎二:なあ桐谷くん!あの2人はやっぱり付き合ってると思いますか?リア充なの?やっぱり!
涼太:知らねぇよ!ただ、なんやかんや言いつつ仲良いだけなんだよあの二人。
と、涼太も下駄箱にやって来た。ただ、向こうはこっちに気付いてない。
ど、どうしよう・・・いつも彼が声かけてくれるから会話できてたけど・・・今回は向こうは気づいてないから声かけてくれないよ・・・
アレ?何かおかしくないか?今の文からすると・・・桐谷くんは私を見たら必ず声かけてくれてるってことになる。そんなことはない。彼は優しいから声かけてくれてるけど、向こう的にはたった1冊の本によって知り合った女の子に過ぎない。
私、嫌な女だ。自分で何も行動しないくせに、桐谷くんから何かしてくれることを勝手に期待してる。なんか・・・図々しい。私ってどこにでもいる普通の女だと思ってたけど、結構嫌な女だったんだ・・・。
“ちょっとしたきっかけのちょっとした知人かもしれないけど、私は君のこと、友達って思ってるよ。”
急に思い出したこの言葉。かつて涼子ちゃんが言ってくれた言葉だ。(NO.24 >>139)
そうか、桐谷くんもそういう風に思ってくれてるんだ。いや、思ってなくても私がそういう風に思うべきなんだ。彼女みたいに・・・優しい女の子になりたい!
華:あ、あの!
声をかけた。その声は、今まで出したことないくらい大きい声だった。少し桐谷くんもびっくりしたような顔をしている。いや、自分でもびっくりしてるんだけど・・・
華:えっと・・・その・・・
涼太:沢田さん、久しぶり。同じ学校通ってても同じクラスじゃないからあんま会わなかったけど、元気だった?
慎二:おおっ!えっと・・・文化祭のとき一緒に行動したよね。待って、今名前思い出すから。
華:いや・・・大丈夫ですよ・・・ってえ?
慎二は何やらメモ帳をパラパラめくっていた。そしてある時、手を止めて言った。
慎二:沢田華ちゃんだ!そうだ思い出した!ごめんね。
涼太:お前、そのメモ帳持ち歩くのマジでやめてくんない?キモイから。
慎二:き、キモイ!?うそ〜ん。
涼太:そうだ、俺たち今色んな人誘ってカラオケ行こうと思ってんだけど、沢田さんも行かない?
華:え・・・?いいんですか?
慎二:も、勿論・・・女の子大歓迎!ちなみに、俺のこともう忘れてる気がするからもう一度自己紹介しよう。えっと・・・古畑慎二、2年A組・・・
涼太:女の子相手取ったら口説こうとする癖やめろ。じゃあ行こうか。あ、そうだ。沢田さんも誘いたい人いたら誘ってもいいよ。
華:う、うん!
頑張って声をかけたら・・・なんかすごい展開になった。やっぱり自分から行動することって大事なんだな。
ホント・・・ありがとう、涼子ちゃん。
涼太:くしゅん!
慎二:どうした?花粉症?
涼太:い、いや・・・誰かが俺の噂をしている気がする・・・
いえ、涼子ちゃんの噂をしています。
空が・・・霞む。何か嫌なことが起きる・・・前触れ。知ってる・・・私は知っている・・・。
正菜:・・・・・・嫌な空気だ。
正義:フッ・・・いいではないか。来るなら早く来てほしいものだ。
正菜:気楽でいいな、お前は。ま、ずっとそわそわ待っているよりはとっとと奴らを潰したいな。いや・・・
私たちはそもそも、奴らにビビッていないか・・・。
続く