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Re: 彼は天邪鬼  ( No.535 )
日時: 2014/03/23 12:11
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)

NO.78『やってやりゃええやない』


敦:ただいまー、帰ったよ。今から敦子に変わって夕食作るから待ってて・・・

麻友:あんちゃん!


ここは村上家。敦が高校から帰って来たところであった。そんな時、妹の麻友が走って玄関までやって来た。その表情はあまり良くなかった。


敦:ど〜した?麻友?

麻友:由紀の様子が変なの!?なんかすごく苦しそうで・・・熱出てるかも!

敦:え〜?親に連絡した?

優大:したよー!したけど全然来てくれないんだ!だからあんちゃん待ってたの!今日あんちゃん学校にケータイ忘れてったでしょー?

敦:あ、いっけね。ごめんね。・・・じゃない。由紀はどこ?


由紀ちゃんは布団で寝ていた。顔は赤く、汗をいっぱいかいでおり、咳き込んでいた。


敦:由紀〜どっか苦しいトコある?ただ熱があるだけ?

由紀:う・・・ううん。なんか体中・・・筋肉痛みたいに痛いよ・・・。

敦:筋肉痛?こりゃ・・・インフルエンザかな〜。皆、取りあえずマスクしよう!あと俺が由紀病院連れて行くから外出ず待機!

麻友:私も行くよ!

敦:ダメだ。人数多いと病院側は迷惑だし、インフルエンザだとしたら感染しちゃうかもしんない。手洗いうがいして待機。いいね!

麻友:う・・・うん!行ってらっしゃい!



そんなこんなで敦は妹を抱えて病院に行くわけだが・・・



敦:・・・は?

ナース:だから、今患者さんがいっぱいいて受け入れられる状況じゃないんですよ。今風邪はやってるし・・・

敦:でも・・・妹むっちゃ苦しそうなんですよ!何とかなりませんか?

ナース:すいません、早く助けてあげたいのは山々なんですけど・・・患者さんの数的に本日の診察は不可能です。申し訳ありません。他を当たってください。



マジか・・・困ったな。他に近くに小児科のある病院ないしな・・・。



と思いながら妹を担いで走っていたらランニングをしていた女子集団の中の一人が話をかけてきた。



美砂:だ、大丈夫か?この子すごく苦しそうじゃが・・・

敦:・・・・ん?インフルみたいだけど・・・近くに病院知らない?

美砂:そこの角曲がった辺りに加納小児科があるぞ!

敦:あそこは患者いっぱいでダメそーなんだよね。仕方ないから隣町まで行ってみるけど・・・


美砂は現在、部活のトレーニングの一環で皆でランニングしていたため、部長であると思われる女の子に・・・


部長:瀧原!何やってるの?置いていくよ!

美砂:この人知り合いなん・・・ですよ!じゃけぇ、ちょっと助けてから戻ります!

敦:は?知り合い?・・・あ。


そういえばこの娘、敦子と友達だったっけ。うわ・・・なんか厄介なことになって来た気が・・・ていうか、敬語へたくそ!


美砂:ああいえばきっと許してくれる。ウチも病院連れてくの手伝う。

敦:あ・・・うん。



なんか変なことバレたわけじゃないのね・・・いや、早く病院連れていかないと・・・・・・!!



敦:あ・・・

美砂:どうかしたん?

敦:そういえば・・・ここってキリくん家の近くだった気が・・・

美砂:き、キリくん?

敦:・・・・・・いいこと思いついたかも。




涼太:断る。

敦:そこを頼むよ〜。由紀が死んじゃうし・・・

美砂:やってやりゃええやない!そんくらい!

涼太:そんくらいってもんじゃねぇだろ!無免許運転がそんくらいって・・・お前馬鹿だろ!



涼太に無免許運転で隣町の病院まで連れて行ってもらおうと画策したあっくん。意外とやりよる。



敦:でも徒歩で行くと、1時間くらいかかるっしょ?

涼太:そうだな・・・小児科はこの辺あんまねぇからな。・・・何?その期待の目は。

敦:いや、キリくんなら猛ダッシュで行けばすぐに行けるっしょ?

涼太:オイ・・・


こいつ・・・俺が天邪鬼ってことを瀧原にバラす気か!つーかなんで瀧原いんの!?


美砂:しゃーない!ウチがダッシュで連れてく!ウチ、走りこんどるからスピードにも体力にも自信あるけぇ、安心せぇ!

敦:いや、それだったら俺が行った方が早いし・・・


?:あら?涼太お友達?いらっしゃい。



このタイミングで涼太の姉こと美里が帰って来た。



美里:えっと・・・敦くんと・・・こちらの可愛らしい女の子は?

敦:キリくんのねぇちゃん免許持ってる?

美里:え?も、持ってるけど・・・どうしたの?

美砂:桐谷と違ってホント優秀な人だ!美人だし!

涼太:オイコラ、無免許運転させる気だったのかマジで!


事情を話したら美里はすぐに隣町の小児科に行き、敦の妹・由紀は診てもらえた。予想通りインフルエンザであり、当分外に出歩けない状況になってしまった。


敦:ん〜・・・困ったな。

美砂:どうして?

敦:いや、俺まだ学校で春休みの講義があってしばらく家にずっといるってこと、出来ないんだよね〜・・・小学校もまだ終わってないから麻友たちも学校行っちゃうし・・・

美里:両親は?お母さんとか・・・

涼太:姉ちゃん姉ちゃん。アイツの家庭も結構複雑なんだ・・・あんま突っ込まないでやってくれ(小声)

美里:ふ〜ん・・・じゃあ涼太、アンタしばらく面倒見てあげなさいよ。せめて彼が学校行ってるときだけでも・・・

涼太:・・・は?いやいや、なんで?

美砂:大丈夫じゃ、桐谷。ウチがする。




マジで?





続く