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Re: 彼は天邪鬼  ( No.540 )
日時: 2014/03/27 22:00
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)

NO.80『2人目なんだよ』


今回は番外編。最終章突入に備え、another storyではないが、番外編をしようと思う。


あれは旭野高校の入学式。俺は、1年A組に入学した。俺が誰かって?勿論桐谷涼太・・・じゃない。番外編って言ってるじゃん!多分、最初で最後の、古畑慎二だぞ!よっしゃあああ!

・・・本編進めろってか?わかってらぁ。1話で完結しなきゃならねぇからな。俺と・・・この小説の主人公こと桐谷涼太の出会いの物語だ。


担任教師:え〜、ではまず、簡単な自己紹介をしてもらいましょう。名前、出身中学、一言。これでいきましょう。では出席番号1番の方からお願いします。青山さん。

青山:ハイ。え〜・・・青山さやかです・・・。えっと・・・


と、そんな感じで自己紹介が始まった。俺の苗字は「古畑」。出番はもうちょっと後だ。今のうちになんて言って皆を笑わすか考えておこう・・・

そう思っていた矢先だった。急にある人物が立ち上がった瞬間、男女問わずにざわざわしだした。いや、女子に関しては、キャーキャー言っている。何者だ?


涼太:え〜、桐谷涼太です。滝川中学出身です。一言は・・・別に、特にありません。よろしくお願いします。


再びキャーという声が沸き上がった。


つーかなんだあの男子!確かに、教室入ったあたりから女子どもがなんかざわざわしてたけども、なんじゃあのイケメン!

だけど・・・一言が特にないってどういうことだ?友達作るアピールチャンスだろ。別に・・・声のトーン的にクール気取ってるわけでもなさそうだし・・・ていうかイケボ!俺の持ってないもの全部持ってる感じだな。アイツ。ただ・・・俺の持ってるものも持ってない感じがする。


休み時間。案の定沢山の女子が桐谷の元へ行った。


女子:ねぇねぇ桐谷くん!桐谷くんってカッコいいよね!モデルとかやってたりする?

女子:お、お友達になってください!是非!是非!


積極的な女子は即効声かけてんな。当の桐谷は・・・なぜか嫌な顔をしてなかった。だけど・・・受け答えは適当そのもの。どうしよう、アイツなかなか面倒くさい奴っぽいけど(お前が言うか?)、一番アイツに興味あるかも。


男子:古畑、どうしたんだ?

慎二:いや、俺決めた。

男子:何を?

慎二:あのイケメンとダチになる。

男子:マジかよ!?やめとけって・・・アイツ、なんか気難しそうだし。

慎二:そうか?俺はそうは見えないんだけどな・・・



なんか女子は女子で盛り上がってるし、男子は男子で勝手に気難しい奴って決めてるな。・・・なんだか見た目がよくてイケボなだけで、損してるな。よし・・・話しかけてみっか。



慎二:桐谷くん!初めまして、古畑慎二だ。よろしく。


と、女子のいる中一人突入してった。女子、男子全員がこっち見てる。まあ別にいい。友達なんて、自分から声かけりゃいくらでもできるし。

当の桐谷涼太くんは・・・あれ?こいつもきょとんとした顔してやがる。


慎二:あの・・・どうかした?

涼太:いや、男が俺に声かけるなんて珍しくてな。

慎二:それ・・・嫌味?確かに周り女子ばっかで声かけづらいけどよ、別に男が男に声かけるって、何がおかしいよ。

涼太:いや、俺に声をかけてくれた男子は2人目なんだよ。だから、すごい嬉しいよ。古畑くん。


とニコッと爽やかに笑った。その笑顔はまさに殺人級。周りの女子は一気にバタバタ倒れていった。お前は山田太郎物語の主人公か!二宮和也か!



そして放課後・・・



慎二:なぁ、桐谷。お前、どっから帰るの?地下鉄か?

涼太:いや、俺は徒歩で学校に行ける。ただ、地下鉄の駅を通るよ。一緒に帰る?

慎二:おお、そうか。



そして俺はこのイケメンと一緒に帰ることになった。なんか目線がこっちに集まってる。知ってる、このイケメン君に向けられてるものだということは。今となっては慣れてしまったが、このころは少し緊張したものだ。



涼太:古畑くんはさ、どうして俺なんか目ぇつけてるわけ?

慎二:呼び捨てでいいよ。どうして目をつけられてると思ったわけ?

涼太:普通目をつけてなきゃ帰りを誘わないだろ。それに、俺と友達になろうとするやつも、なかなかいなかったしな。

慎二:そうなの?お前、外見が完璧なこと以外、今んとこ他の人と何か大きく外れてるとは思わないけどな・・・

涼太:そ、そうか?ありがと・・・

慎二:そこ、礼を言うところか?

涼太:ああ。そんな風に言われたのは始めただ。嬉しい限りだね。


勿論、慎二は涼太が天邪鬼であることは知らない。だから、その言葉は涼太にとっては下手したら最高の褒め言葉なのだ。



涼太:お前、ちょっと変わってるな。気に入った。

慎二:お前に言われる筋合いはないよ。よろしく、桐谷!



こうして、俺たちは友達になった。そしてこいつと付き合っていくにつれ、成績や運動神経など、本当に自分にないものを持っている人物など知っていく。


いや、違う。俺とは・・・真逆の人間だ。


そんな桐谷涼太と接していくのが、面白いのさ。






次回・天邪鬼追放篇、始動






続く


涼太くんはイケボなんだ。もし声優に声をあててもらうとしたら・・・そうだな、あの人がいい。

アレ・・・名前知らないけどナルトのサソリ役の人。櫻井さん?腐女子の友達がすごく語ってたけど、あの人がイケボらしい。