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Re: 彼は天邪鬼 【間もなく最終章突入!】 ( No.558 )
日時: 2014/04/12 21:39
名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)

NO.81『見せてやるよ』


まずは長篇を始めるにおいて、注意を言っておこう。現実世界ではもう新学期スタートしているが、今、涼太たちは春休みである。と言うわけで、“あれ?こいつら学校どうなってんの?”と思っても、“いや、春休みだから。”と答えるだけである。

では、始めよう。


—天邪鬼追放篇・スタート


何てこともない日。普通に晴れており、普通の春休み。のはずだった。始まりは一本の電話だった。誰からというと、何と赤西正義・・・の父からであった。


正義父:息子が3日から帰って来ないのだ。確か以前、無断で何日も君たちと共にしていたそうだな。だから今回もそうではないかと思って、一応連絡してみたのだ。

涼太:いえ、俺は知りません。もし会ったら連絡しますよ。

正義父:そうか・・・すまないな。


と言う1分かからないくらいの会話で終わった。それにしても・・・あの男は何考えるかわからないが3日も無断で家に空けるとは・・・いや、夏は約1か月家出してたわ。

だが問題は正義の父の方だ。3日経ってやっと自分に電話してきたのか。しかも、あまり心配してなさげな感じだったし・・・まあ、アイツに限って変なことは・・・


いや、アイツ頭おかしいから変な事件起こしてる可能性ゼロじゃねぇな。大惨事になる前に見つけ出した方がいいな。


と思った涼太は外に出て、もし正義が東京来てたら行きそうな場所を手当たり次第にあたることとした。そうして外に出て、色々ぶらぶらしていてもなかなか見つからない。当然だ、東京にいるということもわからないのである。


涼太:いや・・・ちょっと待て、俺、アイツにまだ電話してないな。


嫌いな父からの電話ならば無視しているかもしれない、そして自分の電話なら出てくれるかもしれない。そう思った彼は正義に電話しようとした。



その時だった・・・



?:奴は出ないぞ。




ブシュッ!



急に涼太の後ろに一人の青年が現れ、涼太に斬りかかった。ん?斬る?どっかの黒鉄さんですか(笑)中二乙。

だけど黒鉄さんではなかった。そこには涼太と同い年くらいのどこかの高校の制服を着た男子がいた。手には剣があった。そこには血がついていたのだが・・・



?:仕損じたか。流石は天邪鬼といったところか、反応が常人を逸している。

涼太:仕損じたって・・・ちょっとだけ腕斬れてんだけど。オイ、銃刀法違反だし傷害罪だろうが!警察呼ぶぞコルァ!

?:警察呼んで困るのはお前だぞ。我が名は梅宮灰露(はいろ)。陰陽師当主だ。

涼太:はぁ!?い、いやいや・・・君、高校生・・・だよね?

灰露:高校生でも当主だ。歳と実力は関係ない。



この男、梅宮灰露は現役高校生であり、黒さんの後任陰陽師当主である。梅宮家は白さん属する今はなき竹内家と黒さん属する松坂家と同様の陰陽師の家系である。

しかし、長年竹内家が実権を握っていたとき、つまり悲惨な事件が起こる前、松坂家と梅宮家は結託して竹内家を潰そうとしていた。その時、友好の証として松坂家の姫様と梅宮家のトップを政略結婚させた。そしてそこで生まれたのがこの梅宮灰露である。実はこの姫様とは黒さんの叔母さんにあたる人。つまり黒さんと灰露は親戚である。


まあそんなこんなで、以前はまだ幼いということで黒さんが当主を務めていたが、彼の失脚で松坂家と梅宮家の血を受け継ぐ当主にふさわしい灰露が当主となったのだ。

ま、最近の陰陽師事情はこんな感じです。本編に戻りましょう。



灰露:俺は陰陽師の当主。妖相手では好き勝手やれる誓約となっている。

涼太:妖じゃないって・・・


ここは人通りはそこまで多くないが、通行人はいる。真剣を持っている高校生・・・勿論今、彼らは注目の的だ。そしてしばらくして・・・




警官:君!何をしている!その剣を捨てなさい!



大体5人くらいだろうか・・・警察がやって来た。通行人が真剣持ってる灰露を見て通報したのだろう。



灰露:貴様らは馬鹿か。俺は本物の陰陽師だ。これが家の紋章だ。

警官:いいから捨てなさい!銃刀法違反で逮捕する!

灰露:今どきの警察は知らないのか・・・。陰陽師には対妖においては銃刀の所持を許可されてるのだ。

警官:だが、そこにいる子は完全に人間じゃないか!

灰露:・・・・・・貴様らの目は節穴か。じゃあ見せてやるよ。



ポケットの中から札のようなものを取り出した。



灰露:よく見ろ庶民共。これがこいつの・・・この化け物の正体だ!

涼太:な・・・・・・



その札がピカァと光った。その光はまるで、涼太が鏡の前で涼子と代わるときに出る光であった。



灰露:これは、かぐや様から授かった力だ。妖の化けの皮をはがす力!



そしてその光が収まったとき・・・




そこには桐谷涼太ではなく、彼によく似た少女、つまり桐谷涼子がいた。



そしてこの騒動から・・・最悪な春休みが始まるのである。






イザナギ:天邪鬼の存在を人間に知らせる?

イザナミ:そう、彼らの力は元々俺の力。つまり俺がちょっと指を動かすだけで彼らは力を使いざるを得ないんだよ。

イザナギ:でも、力って言っても天邪鬼の皆のスキルは潜在能力のようなものじゃ・・・

イザナミ:まあそうだけど、天邪鬼の最大の特徴はさ・・・男女共存でしょ?だから性別が移行するところを世間の人が見ればさ・・・





彼らは完全につるし上げ状態になる。






続く


補足

○イザナミと陰陽師がつながっている理由

イザナミは封印されていたけど、実は妖の根源であるイザナギとは封印場所近くでは会話は出来た。そこから彼女の指令を受け取り、イザナギは陰陽師に近づき、“かぐや姫の使者”として交流を持つようになる。かぐや姫を尊重している陰陽師はそのイザナギにコロッとだまされることとなった。


こんな感じです。長くてすんません!