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- Re: 彼は天邪鬼 【天邪鬼追放篇スタート!】 ( No.561 )
- 日時: 2014/04/13 11:59
- 名前: 莉遠 ◆gX.y9FxA6g (ID: glXVlHlM)
NO.82『んなもんどーでもいい!』
人間とは恐ろしい生きものだ。自分の理解を超えた相手を認めようとしない。だから本気で潰そうとする。
例えば戦争。国家間、あるいは民族間、あるいは宗教間。見解の相違、たったそれだけで戦争になる。理解しえないものを潰して、自分たちが理解できる、つまり安心できる世界を作る。ま、戦争のきっかけはそれだけではないが・・・それは社会の先生にでも聞いてくれ。
そう、それが今現実に起こってしまった。人間が天邪鬼と言う理解を超えた生物。それにより、自覚なくとも人間対天邪鬼の戦が始まったのである。
あの後、人に涼太が涼子に変わる瞬間を見られてしまった。そして、灰露は言った。
灰露:これは天邪鬼という人になりすまして生きている妖だ。わかったであろう、こやつが化け物だと。そして俺は本物の陰陽師だ。調べればすぐにわかるだろう。だからこいつを殺す邪魔立てをすることは一般人であれ許さんぞ!
パシャッ!パシャッ!
携帯のカメラで周りの人が涼子や灰露を取っている。そしてTwitterやらなんやらでこの噂は・・・拡大していった。
その場は持ち前の身体能力でなんとか巻ききったが、この事件は確実に天邪鬼を追い込むこととなるのである。故に、この長篇は“天邪鬼追放篇”なのだ。
その後、陰陽師が会見をした。
灰露:この世には確かに天邪鬼という妖が存在する。そして我々は現存する天邪鬼すべてを割り出すことに成功した。東京都在住の桐谷涼太、久利生裕輝、玉山蔵之介、神木智、村上敦。そして大阪に在住していたあの赤西財閥の御曹司、赤西正義。この6人だ。彼らは人間を超えた能力を持っている。見つけたらすぐに警察に連絡してくれ。そうしたら我々陰陽師も動く。どうか悪を断ち切るため、協力をお願いしたい。
陰陽師は警察、そして自衛隊とも手を組み、天邪鬼を潰すことを発表した。そして名を公開したことでマスコミも動き、彼らの顔が全国に知れ渡ることになってしまった。
さらに、彼らの家の前は今や警察やマスコミが張っているため、天邪鬼たちは家に帰れずにいるのである。
では、彼らは今どこにいるかって?
黒鉄:テメェら・・・・・・俺ん家は一人暮らし用っつったよな、5人もウチに来てどういうことだ!
涼子:ごめん黒さん!ぶっちゃけ他に行くトコどこもないんだ!ほとぼりが冷めるまで泊めて!
黒鉄:ほとぼりっていつ冷めるんだよ。たく、桐谷テメェ見事に男女転換したトコ写メられたなぁコルァ!
涼子:仕方ないじゃん!あんなことになるなんて誰も想像しないでしょ!?
大事になる前に涼子は4人に連絡して黒さん家に集まった。今は夜であり、彼らは黒さん家に泊まる気満々なのである。そう、彼は一人暮らしであり、しかも陰陽師たちにも居場所を知られていない場所に住んでいる。絶好の隠れ家となってしまっているのである。
黒鉄:しかし灰露の野郎・・・陰陽師は派手なことはせず、忍んで仕事を完遂しろと言ったろ。こんな大事にしやがって・・・
裕輝:オイ、この部屋狭いんだけど。
黒鉄:だったら出てけ、色黒天邪鬼。だが先ほど言った通り、基本的に陰陽師はあまり派手に仕事をしない。ここまで来るとなると・・・裏でだれか糸引いてんじゃねぇの?
敦:・・・・・・イザナミ。イザナミがそろそろ天邪鬼殲滅に動いた・・・ってことがありえるんじゃないの?
それは天邪鬼全員がそう思った。イザナミが封印から解放されてしばらく経った。そろそろ動き出してもおかしくないのである。
涼子:・・・だとしたら赤西くん危ないんじゃないの?いや、父親曰く3日前から姿を消してたって話だよ・・・ひょっとしたらもう・・・
智:いえ、あの赤西くんに限ってそれはありませんよ。ないと思うんですけど・・・イザナミさんが関わっているとなるとわかりませんね。
黒鉄:そいつは今、白が捜してくれてるってよ。ま、屍が出てくるかもしれないけど。
涼子:ちょ、演技でもないこと言わないでよ!
黒鉄:んなもんどーでもいい!俺はお前らの面倒見る羽目になっちまったんだよ!あれだな、手っ取り早いのは灰露を手懐けるしかねぇだろ。あんだけ全国に広がっちまったんだ。まずは灰露を潰す。俺はあいつの電話番号知ってる。お前たちのことは言わないが取りあえず従兄として出るとこ出ねぇとな。
ピッピッ、プルルルルル!
ガチャっ、“おかけになった電話番号は・・・・・・・”
涼子:ひょっとして・・・アドレス変えられた?
黒鉄:・・・・・・ほお、俺はあのガキに全く信頼されてなかったんだな、今度殺す!まあいい。とにかく、こっからは二手に分かれるぞ。
涼子:二手って?
黒鉄:一つは俺と一緒に灰露の元へ行く。奴を説得するにはやはり、天邪鬼のことを直に知ってもらう必要があるし、まあ十中八九喧嘩になるからそん時は俺の助っ人してもらいたいしな。この中で喧嘩強いの誰だ?
裕輝:俺と村上じゃね?
黒鉄:村上はでかくて目立つから駄目だ。ま、お前らもだが・・・じゃあ一回面識がある桐谷と久利生についてきてもらおうか?
蔵之介:じゃあ俺たちはどうするんだ?
黒鉄:留守番だ。ここにも陰陽師の手が回る可能性はゼロじゃない。今籠城している場所を奪われたらそれこそ終いだ。誰が来ても絶対入れるな。それだけだ。もし何かあったらそこの固定電話で俺に電話しろ。電話番号ここに書いてある。絶対にテメェら携帯電話の電源入れるなよ。
智:わかってますよ、セリフ長くて困りますね。
黒鉄:じゃあ行くぞ、久利生、桐谷!
涼子:ストップ!
黒鉄:なんだ!
涼子:・・・・・・鏡ない?
こうして黒鉄と裕輝と(鏡を使って交代した)涼太は灰露に会いに行くことになった。
続く
セリフ多くてすいません!