コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【天邪鬼追放篇スタート!】 ( No.581 )
- 日時: 2014/05/10 22:23
- 名前: 莉遠 ◆SGgMeX0HUg (ID: glXVlHlM)
NO.86『利口じゃない生き方する方がマシよ!』
裕輝:オイ、なんだよこれ!なんで夏姫が捕まってんだ!おかしいだろ!
涼太:落ち着け久利生!俺たちがここにいることをバレたら終わりだ。なんか言うにしても声を上げるな。
裕輝:って言ってもよ!夏姫は関係ねぇじゃねぇか!
蔵之介:ああ、関係ない。だがそれをここで叫んでいてもしかたがあるまい。取りあえず落ち着くのだ。そうしなければ出来ることも出来なくなるぞ。
涼太と蔵之介がどうにか荒ぶる裕輝を鎮めた。
天邪鬼の正体を知る高校2年生の女子、確実に夏姫のことだ。
裕輝:そうだな、よし。夏姫を助けに行こう。
黒鉄:待て、それは今ではない。お前と桐谷はまず休息。寝ろ。
裕輝:寝てる場合じゃねぇだろうが、なめてんのか!
敦:うるさいよリュウくん〜。それに今は大丈夫でしょ。やられてもちょっとした尋問くらいだろうねぇ。
涼太:ああ、なっちゃんは確実に俺たちをおびき寄せる餌として使うはずだ。だから、今のうちは大丈夫。むしろ、疲労している今の状況で突入するのはマズイだろ。後のことは、俺たちが頑張ってた時に居眠りしてた馬鹿どもに任せて、俺たちは取りあえず寝ようぜ。
智:馬鹿ども・・・?ハイ、どうぞ、寝てください。
黒鉄:じゃあ俺も・・・
灰露:じゃあ俺にも寝させてくれ。あの、縛ったままでいいから・・・寝床を・・・
黒鉄:黙ってそこで座って寝てろや馬鹿。
こうして徹夜組(涼太、裕輝、黒鉄、灰露)の睡眠は開始した。
ここは東京のとある刑務所。夏姫は牢の中に入れられてた。
イザナミ:泣いていいんじゃない?君は悪いこと何もしてないのに。
牢の外に急にイザナミが現れた。このとき、夏姫はイザナミのことは知らなかったため、急に巫女の格好をした女の子が現れたと思ったのである。
夏姫:そうですよ、何も悪いことしてません。怖い刑事さんにすごい怒鳴られたけど、私何も悪いことしてないもん。だからなんで泣く必要があるんですか?テレビを見る限り、裕くんたちの方が酷い仕打ちを受けてるんだもん。それに比べたらこんなこと・・・大したことないよ。
イザナミ:・・・・・・いい子だな。君は。だけどそれは癇に障る発言だ。人間は人間らしく愚かでいればよいのにね。もうちょっと利口に生きるべきだよ、君は。
夏姫:なんで?あなた人間じゃないよね。
イザナミの発言などから、夏姫はイザナミが普通の人間ではないことを察した。
イザナミ:俺はイザナミ。そう、人間じゃないよ。人間じゃないからこそ、人間である君には知ってほしいよ。俺や天邪鬼みたいな奴に関わるとロクなことはない。今すぐ縁を切ることをオススメするよ。そう誓うなら、俺は君をここから出してあげることができる。
そう、イザナミの狙いは、天邪鬼たちが一番友達としている人間、“夏姫”を天邪鬼たちから引き離すことであった。だが・・・
夏姫:折角のお話ですけど、お断りします。
イザナミ:・・・・・・二度チャンスはあげないよ、夏姫ちゃん。
夏姫:何度聞いてきても一緒です。利口じゃないと言うならそれで結構。自分に嘘ついて生きるくらいだったら、利口じゃない生き方する方がマシよ!
イザナミ:・・・・・・・・・やっぱりね。君、俺の大っ嫌いなタイプだ。じゃあね。
と言ってイザナミは夏姫の前から消えた。
イザナギ:可愛い子だと思うんだけどな〜・・・・・・何が嫌なの?
イザナミ:ああいう、普通の人間なのに俺たちに干渉しようとする偽善者だよ。黒鉄や真白なら陰陽師ってことでわかるけど・・・あの女だけは好かない。
イザナギ:珍しい。じゃあとことんいじめちゃう?その方が面白そう。
イザナミ:そうだね。その時に・・・天邪鬼共も一網打尽にする。
そしてこの2日後・・・
テレビ“天邪鬼について知る少女が、3日後、会見を行うことが決まりました。場所は・・・・・・”
涼子:いよいよね!なっちゃんを助けるとき!
黒鉄:俺は悪いけど同行できない。お前たちがその会見場にすんなり入れるように手回しするためにな。テメェらの友達はテメェらで助けろ!
裕輝:ああ・・・やってやるさ!
続く
補足その1・天邪鬼とイザナミ(かぐや姫)の関係
イザナミが封印されていることで、封印された場所の近くで彼女の力を受け継ぐ(天邪鬼のこと)子供が生まれる仕組み。よって、全員中学が同じといった現象が起きた。
また、今イザナミは封印されていないため、この状態では二度と天邪鬼は生まれない。故にイザナギを倒す術がなくなるのである。なので天邪鬼が今やられると、世界の危機につながる。
補足その2・イザナミが夏姫のことを知っている理由
どこかの話でも述べた通り、封印されていたイザナミは天邪鬼の夢に住まうことができた。そして、夢には自分は覚えていなくても、現実世界が投影されているもの。それにより天邪鬼たちの性格や環境を知り得るのである。
ただし、これもまたどこかの話で述べたが、白さんはステルス機能の付いた札を携帯しているため、夢の中に現れず、イザナミは知らなかった。またそのせいで、陰陽師である白さんやその幼馴染、黒鉄が敵だと言う裏付けが出来なかったため、灰露には話せなかった。
言う機会がなさそうだったので、少し補足として書いておきます。読まなくても結構です。