コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【天邪鬼追放篇スタート!】 ( No.585 )
- 日時: 2014/05/16 21:59
- 名前: 莉遠 ◆SGgMeX0HUg (ID: glXVlHlM)
NO.87『それは困るよ』
本日、岸谷夏姫が会見を行う日。本来ならば彼女は未成年のため、顔をテレビとかにさらすのはNGなはずなのだが、これは特例中の特例。TVで全国に生放送されるのが決定されている。
その記者会見場の前に・・・ある男が立っていた。古畑慎二であった。
慎二にとっても、桐谷涼太は一番の友達だったのだ。まあ初恋の相手が彼同然ということは若干ショックであったが、気にかけていたため、足を運んだのである。だが勿論・・・
警備員:何言ってるの?関係者と入場許可証持った人じゃないと入れないの。帰った帰った・・・
慎二:待ってください!お、俺!彼女の友達なんです!通して・・・
警備員:ダメダメ。そういう嘘はいいから・・・
黒鉄:いいじゃねぇか、通してやれ。
ここで黒鉄さんがやって来た。前回の話に述べた通り、天邪鬼たちを簡単に会見場に入れる手引をするためだ。
警備員:く、黒鉄様!なぜこちらへ?
黒鉄:あ〜、テメェ陰陽師か。そいつは朗報だ。お前ら、確か灰露がどっか行って困ってたんだろ?俺が陰陽師率いてやってもいいぜ。
警備員:それはありがたい話です。正直、天邪鬼共をやろうにも、頭領が行方不明になって混乱してたところなんです。さ、中へ。ここの警備は他の警備係に任せます。
黒鉄:そうか、じゃあ案内してもらおうか。
と言う感じで普通に会見場に入って行った。そして慎二はそれを唖然とした顔で見ていた。
黒鉄:オイ、古畑。テメェは来ないのか?俺がいいっつったから入っていいんだぜ。
慎二:ま、松坂先生・・・何者なんですか?
黒鉄:そいつは中に入ってから説明する。ここに来たってことは、桐谷が気がかりなんだろ?
慎二:・・・・・まだ信じたくないです。それに、テレビとかで勝手に広がってるだけですよね!天邪鬼なんてありえないですし・・・それだと俺の初恋の相手が・・・
黒鉄:うるせぇなぁ。アイツが天邪鬼ってのは本当だよ。
この一言で慎二はガチで落ち込んだ。まあそりゃそうだ。慎二の初恋相手が涼太同然と言うことが確定したのだから。
黒鉄:・・・・・・で、第3班は南の方を死守しろ。じゃあそれぞれ持ち場につけ。
警備員たち:はっ!
慎二:け、警備員たちに指示だしとか・・・マジで先生何者だよ。
黒鉄:まあ何でもいいだろ。ほら、始まるぞ。この会見、面白くなりそうだからしっかり聞いとけ。
そして、会見が開始し、場に夏姫と周りを取り囲む警察が現れた。それを、マスコミたちが居座る少し後ろに黒さんと慎二は立っていた。
まず初めに、夏姫についてざっと紹介。その後、質問攻めになった。“天邪鬼は本当にいるのか?”“なぜ天邪鬼に味方しているのか?”等々。
夏姫は正直に話した。天邪鬼が現にいること、彼らの境遇など。だが・・・
記者:ではなぜ我々にそのことを話さなかったのですか?その時点で、天邪鬼が何かを画策してるとしか考えられないのですが・・・
記者:自分が行っていることが罪だとは思わないのですか?
など、徐々に質問がキツイものになっていった。天邪鬼の存在が確定した時点で、彼女の言うことがすべて信用がなくなっているのだ。そして最後の質問はこんな内容だった。
“天邪鬼が本当に存在するのはわかりました。そしてそれを知ったせいであなたはこうなった。今あなたは日本国民全員から嫌われているでしょう。天邪鬼側に付いて後悔はしていませんか?”
そして、夏姫はこう答えた。
夏姫:その質問の意味が私にはわかりません。天邪鬼側に付いて?なんで人間と天邪鬼が戦ってることになってるんですか?それは違います。天邪鬼の皆は、私たち人間に敵対視していません。彼らは普通に、ただ普通の人間のように暮らしたいだけです。なんでこんなに彼らを追い詰めるようなことするんですか?おそらく私が何を言っても無駄なことはわかってます。だから・・・私から皆さんに一つだけ言わせてください。私は彼らを友達として認識しているだけで、人間とか天邪鬼とか考えたことはありません。
“皆さんは、誰かと・・・友達と楽しい気持ちや悲しい気持ちを共有するとき、種族の違いを考えますか?”
そうだ、何考えてんだ俺は。確かに天邪鬼で・・・嘘ついてたかもしれないけど、それ以前に・・・アイツと俺はダチじゃねぇか。
そんなことを思っていた慎二の隣で・・・
黒鉄:アイツら遅いなぁ・・・女子の格好で出歩けって言ったから多分早々バレやしないと思ったが・・・桐谷は女子でも面バレてるし・・・まずかったか?
とぶつぶつ言っていた。そして夏姫は会見場を出、車に乗ろうとしたら・・・
男:悪人は死ね!
男:天邪鬼を許すな!
外に待ち伏せていた人々が夏姫に石やごみを投げつけた。勿論警備員たちは止めているが、本気には見えない。と言うか、こうなることも予想済みといったところだろう。
男:クソ女!死ねぇ!
“それは困るよ”
夏姫の顔面に放たれた石を誰かが受け止めた。そしてその人物とは・・・
正義:彼女は僕の大切な友人。もし本当に殺す気でいるのであれば、お前らの人生ぶっ壊すぞ。
続く
あれ?主人公出てねぇ・・・