コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 ( No.589 )
- 日時: 2014/05/26 23:58
- 名前: 莉遠 ◆SGgMeX0HUg (ID: glXVlHlM)
NO.88『怖いことがあるか』
夏姫:あ、赤西くん・・・!?
正義:久しぶり、岸谷さん。怪我とかない?
裕輝:久しぶり、岸谷さん。怪我とかない?じゃねぇよコルァ!
と言って裕輝は正義を蹴り飛ばした。そう、ちょうど他の天邪鬼5人(涼太・裕輝・敦・蔵之介・智)も到着した。ちなみに、女子の姿で移動したが、テレビに映る可能性を考慮して、すでに顔が知られている男子の方で現れたのである。
その5人、全員赤西に対して殺気を含んだ視線を向けている。
正義:ふん・・・裕輝、お前は岸谷さんをかっこよく助けたかったが、その役を僕に取られて怒っているのだろう。
裕輝:あ?んなんじゃねぇよボケェ!
正義:痛っ!殴るな裕輝。今は岸谷さんを保護することが先ではないか?
涼太:オイ赤西。確かになっちゃんを助けるのが先だ。だが・・・取りあえず一発殴っていいか?久利生だけじゃねぇぞ。今お前にキレてんのは。
そのセリフの後、敦と蔵之介と智は大きく頷いた。だが、当の正義はケロッとした顔をしている。流石です。
夏姫:でも・・・皆無事でよかったよ。
裕輝:それはこっちの台詞だ!テメェ、こんな時まで人の心配してんじゃねぇよ。お前はただ巻き込まれただけなのによ・・・
夏姫:別に巻き込まれたなんて思ってないよ。だって皆大事な友達だもん。皆の問題なら、私の問題でもあるんだよ。
と言っているが、夏姫は相当な尋問に遭っているはずで精神的にかなりのダメージを受けているはずだし、先ほど投げられた石やごみのせいで、体にも傷が見受けられる。
夏姫を見て接した裕輝は・・・
裕輝:オイ、テメェら!俺たち狙うならいい!だけど夏姫を狙うとか・・・
正義:まあ待て久利生。今、感情的になるのはよくない。見ろ、テレビカメラだ。全国のお茶の間の皆さんがこのやり取りを見ているんだろうな。
涼太:それで?お前はどうしたいの?
正義:全国のクソ人間共に僕たちがどう思っているか教えようと思ってな。逸る気持ちはわかるが、ここは僕に任せてくれないか。
蔵之介:すまん。クソ人間と言っている時点で信用できないのだが?
正義:だが、おそらく今僕たちが思っていることは一緒のはずだ。なぜなら・・・全員ムカついているだろ?
その言葉を述べたとき、正義の目はマジだった。声のトーンも急に低くなった。少し怖いがとても頼もしい感じ。そう・・・やっぱり俺たちのリーダーは・・・
涼太:じゃあ頼む。こういう仕事は赤西、お前に任せるよ。
裕輝:チッ、しゃーねぇなぁ。
敦:バッチリテレビ決めてきてね〜
智:お願いします、赤西くん。
蔵之介:ヘマしたらぶん殴る。
正義:最後、最後だけなんかおかしい。
ふぅ・・・と息をして、正義はカメラマンの方に近づいた。カメラマンはだいぶビビッていたが、逃げなかった。いや、逃げられなかった。正義の笑みにはすごい威圧感がある。流石は王者の風格といったところか・・・。カメラマンは半分腰を抜かしているのである。
正義:僕たち天邪鬼は、正直君たち人間とやり合うつもりはなかったよ。だって僕たちはただ普通の人として暮らしたかっただけだからね。だけど・・・
今まで笑っていた表情が一気に怒りの表情となった。本気で怒っているときの彼は、涼太ですらぞっとするほど恐ろしいのだ。
正義:天邪鬼ではない、我々の大切な友人の彼女をここまで痛めつけたのだ。これは・・・人間の宣戦布告と捉えたぞ。遠くから見てる人間も一緒だ。彼女が痛めつけられているのに、どうせ自分とは関係ないとか目をそらしてるだけだろう。僕は・・・そういう人間は大っ嫌いだ!喧嘩を先に吹っ掛けたのはそっちだ。もう僕らは・・・お前らが人間だからって容赦しない!
・・・・・・言っちまった
智:言っちゃいましたね、赤西くん。もう後戻り出来ませんよ。
裕輝:なんで?別にいいじゃん。スカッとしたぜ、俺は!
夏姫:で、でも!私のせいでそんなことになるなんて・・・
涼太:なっちゃんのせいじゃないよ。売られた喧嘩は買わなきゃね。今までと同じように生活できなくたって・・・なっちゃんや白さんや黒さんや・・・信じてくれる人がいれば、俺らはなんだって出来る。
敦:・・・・・・まあキリくんは綺麗ごと言うけどさ。俺が戦う理由はただ一つ。友達傷つける奴ぶっ潰す!それだけ!
すぐに警備員や警察、さらには自衛隊までやって来た。天邪鬼たちは全くビビっていない。
蔵之介:・・・・・・タンカ切ったからには策はあるんだろうな?
正義:特にない。
蔵之介:ハァ!?
正義:これから考えればいいだろう・・・同窓会メンバーが7人そろったんだ。怖いことがあるか?
夏姫:7人・・・
裕輝:勿論テメェも入ってるに決まってんだろ!?夏姫!
夏姫:うん・・・私も頑張る!
正義:それじゃあ・・・まずは逃げるぞ!お前ら!
涼太:・・・わかってたけどタンカ切った割にカッコ悪っ!
と言って、7人は走り出した。
警察:と、止まれ!
警察は銃を構えた。
正義:頼んだよ、敦。裕輝。
敦:は〜い。任せて。
裕輝:おいしい部分はお前に取られたからな・・・暴れるぜ!
続く