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NO.89『大人に感謝しろよガキ共』


警察：と、止まれと言っている！本当に撃つぞ！

夏姫：ちょ、大丈夫なの？あの人達本当に撃ってくるんじゃ・・・？

正義：平和ボケした警察官が何を言っているんだ。撃てばいいじゃないか。市民を守る警官ならば僕たちヒールを倒してみろ！

涼太：オイ！煽んな！お前の悪い癖だぞ、それ！


パンっ！パンっ！パンっ！



銃声が3回した。夏姫はびっくりして思わず足を止めてしまった。



裕輝：オイ夏姫、足止めんな。

夏姫：だって銃が・・・皆怪我ないの!?

敦：え・・・何のこと？


身長約2mの彼は手のひらを見せた。そこには銃弾が少しめり込んであり、ポロポロ地に落ちた。その手のひらには怪我も何もなかった。



裕輝：忘れたか夏姫、こいつの能力のこと。

夏姫：そっか、スーパーパワーでしょ!?忘れてた忘れてた。

敦：なんかダサいネーミング〜・・・



——村上敦の特殊スキル・異常なる力（パワー）



まあ見たまんま、敦はすごい怪力なのである。つまり、筋肉がすごいことになっている。よって、ちょっとした銃弾ごときじゃ彼の肉体を貫通できないのである。そんなこんなで、敦は後ろから飛んでくる銃弾をすべて捌いている。


そして前は、天邪鬼一素早さ＋最強の反射神経の持ち主の裕輝が先陣切って、敵をなぎ倒している。この2人が最強と言われる所以はお分かりいただけただろう。



人間たちを振り切り、路地に入った一同。走っていると・・・



智：ちょっと待ってください！前から誰か来ます！

涼太：そうなのか？

智：ええ・・・人数は・・・・・・



智は地に耳をつけて目を閉じた。感覚を研ぎ澄ましているようだ。



智：ざっと10人といったところでしょうか。ここは曲がるべきです。

裕輝：いや、10人だったら強引に突破できんだろ。

智：後ろから34人の人が走ってきているのに？こんな狭いところで挟み撃ちなんていくら君たちが強いからってご免ですよ。

涼太：ここは神木に任せとこうぜ。



——神木智の特殊スキル・異常なる五感



智くんの五感はとってもすごい。まるでスコープのように視力がよいので、相当遠くのものを見ることができるし、聴覚もいいため、今のように耳だけで人が何人近づいているのかもわかる。

まあそんな感じである（適当）。そしてそんな感じで逃げていると、路地から出た。そこで、目の前に車が現れた。窓が開き、そこには白さんがいた。


真白：乗れガキ共！7人はキツいかもしれんが押し込め！

涼太：白さん！ありがとう！


そして一同は車に乗り込み、走り出した。



夏姫：ふぅ・・・取りあえず一安心でいいのかな？

真白：そうだな。大人に感謝しろよガキ共。特に・・・天才くん。テメェ後で覚えてろよ。

涼太：オイ、赤西。お前何やらかした？ていうか、今までどこ行ってたんだよ。



と、涼太が尋ねても正義は相変わらず“自分は何も悪くない”と言っているような顔していた。



正義：この騒動が起きる前、僕は高校生で陰陽師と名乗る男に襲われてな。テレビで見たが、その男は梅宮灰露だ。ま、僕はお前ら知ってる通り、戦うのは苦手だからすぐにやられたよ。


と言って服の襟を少しずらしたら、肩に包帯が巻いてあった。


涼太：でも、よく死ななかったな・・・

正義：あの男がまだ若くて助かった。僕が死んでいるのを確認せずに去って行った。逃げるのだけは得意だからな、奴の一撃を急所をさけて受け、その後、近くに川があったからダイブした。いや〜、あの時は傷口に水が入ってきて痛かったな。

涼太：じゃあ今の今まで連絡しなかったのは・・・？

正義：ま、死んでることになってた方が動きやすかったからな。あの後・・・絶対に逃げ場が必要になると思って確保しようとした。それに少し時間がかかって・・・・



ドンっ！



何かすごい音がした。そしたら、車のボンネットの上に誰かが乗っていた。



真白：ちょ、前見えない・・・どけやコルァ！

涼太：お前は・・・イザナギ!?

イザナギ：人間がどーも使えなさそうだからね。僕が代わりに君たちを潰そうと思ってね。じゃあまずは車止めなきゃねっ！



イザナギは車のガラスを粉々に割って、運転で両手が空いていない白さんにナイフで刺した。



涼太：白さん！

イザナギ：あれ？心臓狙ったんだけど・・・流石は陰陽師。急所外しちゃった。けど、こんな状態で運転できるかな〜。事故るんじゃないの？ふふふ！



車がふらふら運転するようになってしまった。よって・・・



敦：キモイ・・・吐きそう。

夏姫：あ、あっくんしっかり！



という感じである。



イザナギ：じゃあ次は確実に仕留める。もう一発！

涼太：そいつはこっちの台詞だボケ！


と言って、助手席に座ってた涼太がイザナギを蹴り飛ばした。そして車の上から転がり落ちた。



裕輝：よし・・・チャンスだ。アイツやるぞ！

正義：馬鹿。このまま逃げるぞ。今外に出てどうする。それより、真白さん。運転大丈夫か？

真白：う・・・ん。ちょ〜っと・・・キツイかも・・・・・・

正義：だけど・・・正直走って逃げ場に向かうとすぐに見つかって追いつかれるしな・・・

涼太：ハァ・・・・・・仕方ない。俺が運転代わるよ。







続く