コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼は天邪鬼 【オリキャラ募集中】 ( No.73 )
- 日時: 2013/06/05 18:51
- 名前: 莉遠 (ID: gYu/uyWc)
NO.15『初めてだ』
華:え?元ヤン?
女の子:そう、あの子は瀧原美砂。去年一緒のクラスだったんだけど、秋まですごく鋭い怖い顔したヤンキーだったのよ。何かきっかけがあったのか知らないけど、怖い顔をしなくなったけど。
華:確かにさっきの人、「前仲間だった」的なこと言ってたもんね。
あの騒ぎの後、華と女の子はカフェでコーヒーを飲んでいる。
華:それよりあの子・・・
女の子:私も思った!ヤンキーを倒した女の子、桐谷くんに似てたよね!
華:う、うん・・・そういえば私、まだ数学の参考書返してない・・・
女の子:ちょ、あれから2週間経ったか経ってないか・・・もうすぐ返却期限じゃん!
華:うん、次の月曜日・・・どうしよう
女の子:アタックあるのみ!名前は覚えてもらってたんでしょ?可能性あるって!ほら、お礼にクッキーかなんか作っていけば?
華:ええええ!?う、うん・・・
あれは1年生の秋、瀧原美砂はヤンキーだった。
広島弁からわかる通り、広島県に住んでいて、高1で親の都合で東京に来た。広島弁はぶっちゃけ素、だがそれ故にクラスの皆から浮いた存在として見られる。故に荒れていた。
ヤンキーのグループに入り、毎日毎日スカッとした生活を送っていた。
そうスカッとしている。つまり空っぽだったのである。毎日中身のない生活を送っていた。そこで、学校である男子と肩がぶつかった。
美砂:テメェ、ウチの肩にぶつかっといてタダで済むゆぅて思うてんじゃないじゃろうの!
涼太:ん?あ、悪い
学校のアイドル、桐谷涼太であった。
慎二:あ〜桐谷、こいつ確か1−Cの瀧原美砂。不良だった気がする。
涼太:お前本当によく知ってるな。
美砂:不良だから何だ!見た目とか口調とかで人を判断する人間が大嫌いなんで!
涼太:そうだな、俺もそういう人間は嫌いだな。
美砂:え?
一瞬言葉に詰まった。即返された、迷いもなく。
実際涼太も「されている」タイプなのだ。見た目からイケメンとして他の人とは違うという風に見られ、成績や運動神経の良さから勝手に完璧のレッテル(レッテルというのもあれだが・・・)を張られている。
慎二:つか・・・人をそういうものと判断するのがおかしいんじゃね?まあ確かに人は誰しもそういうことで判断しちまうけど、そっから接していってイメージ修正していくことも大事だぞ。
涼太:そうそう、ってまあ俺が言えることじゃないけど。
そういうものか・・・と思った。いつもならもっと反発しているけど、なぜか一理あると思った。
なぜなら・・・自ら友達を作ってから、もう勝手に友達は自分のことをわかっていると勘違いしていたからだ。
すぐに仲間から抜けようと思った。なぜだかわからないけど、あの2人は人を変えてしまう魅力のようなものがある気がする。
だが・・・
不良A:ハァ!?ふざけんな。まだ仲間になって数か月だろ!?何のつもりだゴルァ!
美砂:げに悪いゆぅて思うとる!じゃがウチはもっぺん・・・
不良B:ふざけるな美砂!テメェみたいな奇妙な喋り方するやつはどこにも場所なんかあるわけねぇだろ!
美砂:!?
やっぱり・・・不良たちだってそう思ってた。予想はできていた。だけどなぜかショックだった。まるで自分が道化のようだった。
不良A:どうしてもやめるっつーなら落とし前つけてもらうぞ!
不良Aは美砂を殴ろうとした。殴られても仕方がない。自分はそういうことを今までしてきたのだから・・・
だがその拳は美砂には当たらなかった。その前に誰かが不良Aを蹴ったようだ。まだ顔は見えないけど・・・
不良B:誰だ!テメェこんなことして・・・どうなるかわかってんだろうか!?
顔が見えた。この間の・・・確か桐谷涼太!
涼太:どうなるかわかってねぇのはテメェだよ。俺の目の前でこんなことして・・・これ以上やるってんなら容赦はしねぇよ。
不良C:ふざけんな!相手は一人だ!やっちまえ!
と言って10人弱いる不良が涼太に殴り掛かってきた。
美砂:ちょっ!
慎二:大丈夫大丈夫。ここは危険だから女の子は下がってよーな。
と言ってさりげなく慎二は美砂を乱闘場から避難させた。
慎二:いや〜、偶然君が怖い奴らににらまれてたトコ見ちゃってさ。まあ俺たちお人よしだから助けに来たってわけ。
美砂:なんで!ウチはあがぁに酷いことをゆぅたのに・・・
慎二:う〜ん、それは関係ないでしょ。か弱い女の子が危ない目に遭っていてそれを助ける。男として当然でしょ。
か弱い・・・女の子・・・そんな風に言われたのは初めてだ。
涼太:終わったぞ古畑〜。瀧原さん、怪我ない?
まあ涼子が2人で一瞬だったのだ。10人弱なら涼太であれば一瞬だ。
慎二:大丈夫だって、なんせ俺が助けたんだぜ?
涼太:お前に聞いてないけど?
美砂:あの!
思い切って美砂は言った。
美砂:ウチと友達になってつかぁさい!
そして彼らと友達となり、初めて一人の女子として見てくれた慎二に恋をすることとなったのである。
続く