コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少女と少年の恋語り『オリキャラ募集終了』 ( No.12 )
- 日時: 2013/06/01 10:04
- 名前: 四ノ宮 ◆8HAMY6FOAU (ID: NRm3D0Z6)
Scene3____『 人を好きになるという事 』____。
『恋』。
あたしにとって、未知の世界。
憧れたりするけど、
したくはない。
だけど、最近。
その考えが変わった____。
*
「弥生ちゃーん!!」
「……洸先輩」
「げっ!」
デコちゃんと一緒に移動教室のため、
音楽室に向かっていると後ろから
洸先輩が走ってきた。
「次、移動教室?」
「はい。そうです」
「そっかぁー!えへへ……」
「?」
「気持ち悪いですよっ!!」
ガコッ!!
笑っている洸先輩の足をデコちゃんが蹴った。
洸先輩は痛いっと言って足をさする。
「もぉ、なにすんの!?」
「弥生ちゃんを気持ち悪い顔で
見ないでです!」
「き、気持ち悪いって失礼なっ!!」
「気持ち悪いから、気持ち悪いって
言ってるんですよ!」
藤田 洸先輩。3年生で、けっこうモテるらしい。
あたしがこの前呼び出された先輩。
「いいじゃん!別に!俺は弥生ちゃんの
彼氏候補だよ!?」
「んにゃっ!?そ、そんなことない!
絶対、デコが許さない!」
「ははーん……君、聞いてないでしょ。彼女から」
「な、何を聞いてないというですか……?」
自身のツインテールを両手で掴み、
緊張した面持ちで洸先輩を見やる。
先輩はふふふと笑いながら、
すっと小さい機会を取り出した。
「これをっ!聞けぇ!!」
ポチ。
と、機械のボタンを押した。
『じゃっ、じゃあ!俺を好きになってくれたら、
付き合ってくれるの?!』
『……あー、まぁ、そうですね』
『じゃあ、俺さ!今のところ、弥生ちゃんの彼氏
候補だよね!』
『え?……んー。そうですね』
ブチ。
この前の先輩との会話が録音されているようだ。
あたしの声と先輩の声が聞こえてた。
「んー、でも先輩。それは、あたしが貴方を好きになった
場合で……」
「弥生ちゃん」
その時、今まで黙っていたデコちゃんが突然あたしの肩を
掴んできた。
「いつから、そんなに男の見る目がなくなったんですかーー?!」
「え、ちょ、デコ、ちゃ……」
そのままガクガク揺らされる。
気持ち悪くなるから、やめてくれないかな。
「はははっ、思い知ったか!さぁ、君たち早く教室に行かなければ
遅刻するぞー!ぬははははっ」
とてもいい笑顔なまま洸先輩は去って行った。
デコちゃんはその後ろ姿を睨んでいる。
「うぅ〜〜……弥生ちゃん!」
「えっとね、デコちゃん。あたしは先輩の事は好きじゃないよ?
だからね、一回告白されたんだけど、断ったんだ」
「そ、それは知ってるぅ。だから、安心してたのにっ!」
「んー……だって、先輩しつこいから。軽くあしらってたら
あんな感じになったんだけど……」
そうこの前あたしは洸先輩に呼び出されて『告白』をされたのだ。
そして、断った。好きでもない人とは付き合いたくないから。
「だって、別に。候補だし。あたしが先輩を好きになるはずないよ」
「……そう、ですね!」
あたしがそう言うと、デコちゃんはニコニコと笑ってくれた。
そうだ。
あたしが、洸先輩を好きになるはずがない。
あたしが、人を好きになるはずがない。
だって_____。
キーンコーンカーンコーン
(にゃぁぁぁっ!!鐘がなっちゃったです!)
(あーぁ。遅刻、決定だね)
(もっ、弥生ちゃん!走るです!)
(あたしはゆっくり行くって……)