コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 少女と少年の恋語り『オリキャラ募集』 ( No.3 )
- 日時: 2013/05/31 20:57
- 名前: 四ノ宮 ◆8HAMY6FOAU (ID: NRm3D0Z6)
Scene1____『 転校生の桐生くん 』____。
『恋』には憧れる。
でも、したいとは思わない。
あたしは小さい頃、
『恋』をして苦しんだ人を知っているから。
だから、生まれて16年間『恋』なんてしたことない____。
*
「弥生っ、おはようなのです!」
「おはよう。デコちゃん」
教室に入った瞬間に『デコちゃん』に抱きつかれた。
ニコニコ笑顔のデコちゃんに挨拶を返して、
抱きつかれたままの状態で教室の一番後ろの窓際の席に向かう。
途中、クラスの男子に「なにしてんだよー」とかって笑われた。
「さてっ、宿題はやったですか!」
「んー……寝ちゃったし、覚えてないよ」
まだ、朝早い。
といっても7時50分の遅刻ギリギリ。
でもあたしの中ではまだ脳が眠ってる。
(昨日だって、
ご飯食べてお風呂入って寝ちゃったし。
宿題なんてしてないよ。)
「まったく!しょうがないですね、弥生は!後でうつさせてあげますです!」
「ん〜……デコちゃん、ありがとー」
ムギュっと抱きつくと、
デコちゃんは顔を真っ赤にしながらも、
あたしを抱き締め返してくれた。
出島 優子ちゃん。通称デコちゃん。
あたしの友達。
腰くらいまであるツインテールと、
前髪を上げた髪型。
身長は小さい方で、
よく小学生と間違われるらしい。
(デコちゃん、柔らかい。
いい匂いもする。)
そんなことをボーと考えていると、
だんだん眠くなってきた。
こてん、とデコちゃんの肩に寄りかかった。
「あっ、弥生!寝ちゃダメです!」
デコちゃんは慌ててあたしから身体を離した。
行き場をなくしたあたしの身体はがたんっと椅子に強制落下。
「もぉー、毎日毎日!ちゃんと寝てるですか?」
「んー……寝てるよー?」
10時間くらい。
そう言うと、デコちゃんは呆れたようにため息をついたのだった。
その時。
ガララッと教室の扉が開いた。
「はいはーい!おはようございまーす」
入ってきたのは担任の『森ちゃん』。
本名は森島 郁子先生。
ふわふわした小麦色の髪と、
少したれ目な感じが可愛い。
独身で、推定年齢32歳。
本当の年齢は他の先生も知らないらしい。
「皆さん、今日も遅刻なしですねー!偉いですよー」
伸びた語尾には優しさを感じる。
クラスの男子はほへーとして森ちゃんを眺める。
(森ちゃん、可愛いな)
ボーと森ちゃんを眺めてると、
森ちゃんとバッチリ目があった。
「ふふっ」
「……」
微笑まれた。
(可愛い……
あれで、30越えはないでしょ。と誰もが思う。
だって、可愛いし。)
「えー、今日は皆さんに新しい仲間を紹介しますっ!」
森ちゃんの言葉に、クラスが騒ついた。
新しい仲間=転校生。
クラスの女子は「イケメンがいいなー」と、騒ぎ。
クラスの男子は「美人がいいなー」と、騒ぐ。
あたしはどっちでもいい。
(どうでもいいが、欠伸が止まらないんだけどどうしよう。)
さっきから、欠伸を3連発くらいしてて、
あたしの意識は限界に近い。
あたしは朝に弱い。
1時間目が過ぎれば、やっと通常運転なんだけど。
「それじゃあ、入ってきてー」
森ちゃんの声に、教室の扉が開いた。
皆の視線が、その子に集まる。
ゆっくりと教室に入ってきたその子は、
教壇の横に立った。
「桐生 佳主馬です。親の都合で、
こちらに転校して来ました。
分からない所もあるので、色々教えてくれると助かります」
そうして、ニコッと微笑む。
それだけで、教室は炎上した____。
(あ、ダメだ。寝る)
ガタンッ!
(?!(弥生ちゃん!!))