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Re: 少女と少年の恋語り『第7話更新!』 ( No.36 )
日時: 2013/06/09 09:44
名前: 四ノ宮 ◆8HAMY6FOAU (ID: kBbtVK7w)

Scene8____『 IQ350の男の子 』____。


トイレに向かうと見せかけて、
校舎の方で休んでいたあたしはそろそろ次の競技だと思い出して皆のところに走って向かっていた。

「っわ」
「なっ、」

ドンッ

角を曲がった瞬間、誰かとぶつかって
相手が倒れてしまった。

「いってぇ……」
「あ、ごめん」

その顔には見覚えがあった。
同じクラスの零皇咲 九六くん。
確か、IQ350の天才とかだったような気もしなくもないんだけど。
覚えてないな。

「なんだ。奏代か……」
「あ、名前知ってたのか」
「はぁ?お前、いっつも騒がしいし。自然と目に入るんだよ」
「……授業出てないじゃん」
「授業には出てる。寝てるだけだ」
「ずるい。あたしだって、寝たいのに」
「お前、いつも寝てんだろ」
「意識が飛んでるだけで、寝てない」
「それを寝てるというんだ、アホ」

アホと言われた。
なんか、相手が天才なだけにすごくムカつく。
顔には出さないけどね。

「てか、お前。なにしてんだよ」
「え?」
「バスケ、終わったのか?」
「うん。優勝した」
「やっぱりな。運動神経抜群組をいれただけある」
「……うん」
「そうか、終わったのか。お前、次はなにに出るんだ?」
「えっと……男女混合ドッチボール」
「ぅわ。あの怪我人続出のやつかよ」
「うん。すごく嫌だったんだけど……他も嫌だったし。ドッチは逃げてればいいから。それにした。絶対にボールを触りたくない」
「動機不順すぎるだろ、お前……」

そんなことを零皇咲くんと話しながら、
集合場所に向かう。

「弥生ーーーー!!!」

集合場所についた途端に、
デコちゃんから熱いハグをもらった。
ものすごく苦しい。

「おい。出島、奏代が落ちる落ちる」
「はっ、弥生ちゃぁぁん!!」
「で、デコちゃん……どしたの」

零皇咲くんのおかげで、デコちゃんの熱いハグから解放された。

「あ。うん。次の競技に移動なのです」
「あ、うん。ありがとう」

次の競技。
男女混合ドッチボール。またの名を、殺人ドッチボール。

「頑張れよ、奏代」

とても驚いたことに零皇咲くんからエールを貰った。
すごく驚いたけど、あたしは「うん」と微笑んで言った。

「っ……」

何故か零皇咲くんの頬が赤かったけど、
デコちゃんにぐいぐい腕を引っ張られてちゃんと確認する事ができなかった。

なにはともあれ、
ボールに触れないように頑張ろう。




((あれは……反則だろーが。アホ))