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Re: 少女と少年の恋語り『オリキャラ募集』 ( No.6 )
日時: 2013/05/31 21:44
名前: 四ノ宮 ◆8HAMY6FOAU (ID: NRm3D0Z6)

Scene2____『 デコちゃんの分析 』____。



「桐生 佳主馬。身長173センチ、体重54キロ。
茶髪。あれは地毛。目の色、茶色。コンタクト着用。
運動も出来る、勉強も出来る。……性格、誰にでも平等に接する。
爽やか笑顔が、彼の武器…………です!!」
「デコちゃんすごいね」

可愛いウサギのついたミニ手帳を片手に、
デコちゃんは桐生くんの分析結果をあたしに報告してた。



桐生くんが転校してきて1週間。
桐生くんはもうクラスに馴染んでて、
友達も沢山できたみたいだった。
彼が転校してきてから、デコちゃんは、
何故か彼のことを調べ始めた。

聞いた所によると、顔が気に入らないらしい。

「あの顔はっ、何かを隠していますですっ!」
「んー」

バンッと机を叩いて立ち上がって拳を握る。
デコちゃんが机を叩いた瞬間、
あたしのイチゴ牛乳のパックが5センチ浮いた。

「あんなに性格がよくて、イケメンで、人に好かれる奴ほど!
何か裏があるんです!」
「んー」

バンッと、今度は握っていた左手を机に叩きつける。
あたしのメロンパンが5センチ浮いた。

今は、お昼休み。
ほとんどの人は学食や外でご飯を食べているみたいで、
ここ、教室にいるのはあたしとデコちゃんだけだったりする。

「デコは、その秘密を知りたいんです!!」
「んー」

チューとストローからイチゴ牛乳をすする。
暫くすると、イチゴ牛乳がからになって出なくなった。

「……飲んじゃいましたか?」
「ん」

口からストローをはずして、ふるふるパックをふってみる。
水音はしない。なくなってしまったのだろう。

「ちょっと、貸してでーす!」
「ん。いーよ」

どうするんだろうか、
と思っているとデコちゃんはイチゴ牛乳パックを握り、
教室の扉の横を見つめた。
そこには、存在感の薄い水色のゴミ箱が一つ。
まさか、ここからパックを投げ入れようとしているのだろうか。

「デコちゃん。まさか……」
「ふふふっ、デコが見事にあのゴミ箱の中にこれをいれて見せましょう!!」

やっぱりだった。

「んー、んんっ、んむー……」

何回も投げる練習をしているデコちゃん。
あたしはメロンパンをあむあむしながら観戦中。

「行きますっ!……ふぉぉぉぉぉぉっ!」

そんなかけ声と共に、デコちゃんの手からパックが放たれた。
それは、綺麗な弧を描きゴミ箱へ____!

ガラガラガラッ
ぴゅーーーーぅ…………
ペコっ☆

「きゃっ!な、なんです、これぇ?」

教室に入ってきた子の頭に落ちてしまったようだ。

「あっ!イリアちゃん!ごめんです!」
「え、あ。優子ちゃん?これは貴方が?」

早苗・R・イリア。特注品の制服に、
お人形のような容姿で女の子達の中心的人物。
早苗グループの令嬢。

「ごめんです」

シュンとなるデコちゃんの頭を微笑みながら撫でるイリアちゃん。

「いいのよ。でも、ちゃんとゴミ箱に捨てましょう」
「はーい……です」

イリアちゃんはデコちゃんに微笑むと、キョロっとあたりを見回した。
そして、あたしに目を止めて歩いてきた。

「弥生ちゃん。さっき、3年生の先輩が探していたわよ?」
「……先輩?」

こくんと頷くイリアちゃん。






何故だかこの時あたしは、
とても嫌な予感しかしなかった____。



(にゃっ!また呼び出しですか!?)
(んー、じゃ行ってくる)
(あぁぁー!待ってです!デコも行くですー!)
((というか、弥生ちゃん。パンくわえたままなの……?)