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Re: ロイ〜ケダモノと呼ばれた少年〜 ( No.16 )
日時: 2013/06/30 00:18
名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: t7vTPcg3)

#9 「緑の魔法雲」

女が手をスッと上げる。すると、竜の上にエメラルドの色をした雲のようなものが出来始めた。

「……?」

何が起こるのか分からず、上を見上げる天竜。しかし、それはロイたちも同じだった。

「な、何、あれ……?すごい魔力だけど……」
「……あぁそっか、ロイは初めてだから知らないんだよね……」

リリーが語りだしたのはダイアナ・ルワントという女性の話だった。

「ダイアナさんはここの校長の秘書なの」
「え、ひっ、秘書!?校長先生に秘書なんてあるの?」
「……まぁ、ここはなんでもアリだから」

曖昧な笑みを浮かべるリリー。

「私もよく知らないんだけどね。彼女は妖精の魔法を使うらしいの」
「妖精の……魔法?」
「そう、アレみたいな」

どんどんと大きくなっていくエメラルドグリーンの物体を見るリリー。

「私も実際にダイアナ秘書の魔法を見るのは初めてよ。ダイアナさんは、基本的に魔法を使いたがらない人だから」
「……そ、そう……なんだ……」

リリーにつられて不安げにその雲を見るロイ。

(マームは……あの魔法をくらっても大丈夫なのかな……)

緑の魔法は今にも完成しそうになっていた。