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Re: ロイ〜ケダモノと呼ばれた少年〜 ( No.2 )
日時: 2013/06/29 20:49
名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: t7vTPcg3)

#2 「勘違い」

〜マドリナ学院〜

「良かったね、マーム。時間に間に合って」
「わいのおかげやな」
「それ違うから!」

笑いながら言うロイ。

「……それにしても……」

学院を見上げるロイ。

「大きいなぁ……!!ここ……!」

5階はある、窓がたくさんついているとても綺麗な学院だ。
バラ園なんかもある。

「……えっと……。どうしよう、マーム?着いたはいいんだけど……。何しろ、初めてだし」
「……せやな。誰かに聞いたらええんちゃう?」
「……うーん、そうだね。……あ、あの人に聞いてみよう」


「よ〜しよ〜し、ミル♪いい子ね〜」

猫とじゃれ合う女の子。

(ちょ、ちょっと声、かけづらいけど……)
「……あの、すみません。僕たち、ここでの能力試験を受けるために来たんですけど……。どうしたらいいか、分からなくて」

こっちに気がつく少女。

「……あ、新人さん?あたしはリリー。リリー・ウォンカ。こっちはあたしのフレンド、ミルよ。あたしも今日、三度目の能力試験を受けに来たの」

そう言って黄色い猫を抱き上げるリリー。肩まである青い髪の毛に青い瞳。胸にはロケットペンダントが光っている。

「そうなんだ。僕は、ロイ・サルベルト。こっちは僕の……フレンド、マーム」
「そう、ロイ”ちゃん”とマームね。私が試験会場まで案内してあげる♪」
「…………え?」

困惑した顔で聞き返すロイ。

「……ん?どうかした?」
「……いや、あの……。勘違いしてるかもしれないんだけど、僕一応……男なん「えええええええええっっっ!?」

言葉がかぶる。

「そ、そんなに驚くかな……?」
「驚くよ!だって、てっきり、女の子だと……!!そんな長い髪の毛だし、かなり可愛い顔だし!!」

ズイッと前のめりになるリリー。

「間違えない方が、おかしい!!」
「かかっ、可愛い顔!?……っていうか、その、……顔、近い……」
「……あぁ!!ごっ、ごめん!!つい……。……と、とにかくロイは、男だって見分けられる人いるのかな?……ってくらい、女の子だよ?」
「そ、そう……?」
(……なんだか複雑なんだけど……)
「まぁ、とにかく会場へ行こっか!遅れちゃうし!!」

会場へ向けて、ロイの腕を引っ張るリリー。

「あっ、まっ、待って!!」

慌ててついて行くロイ。

「……なんだか……朝のわいみたいやな♪」

ロイのポケットの中に潜入成功したマームがニヤニヤしながら言う。

「ま、マームは黙っててよ!!大体あれは、マームのせいだったんだからね!?」
「へいへい、分かってるよーっと」

ニヤニヤし続けながら言うマームは無邪気な幼い子供のようだった。