コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ロイ〜ケダモノと呼ばれた少年〜 ( No.22 )
- 日時: 2013/06/30 00:21
- 名前: ぴんくのうさぎ ◆v8I1Bhr5SU (ID: t7vTPcg3)
はい、やっと『第1章 ■天竜・マームの秘密編■』が終わりました。
次からは『第2章 ■能力試験編■』が始まります(´∀`*)
こめんつ大歓迎ー!!((黙
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#11 「ケダモノの眼」
〜マドリナ学院 校長室〜
「まぁぁあああっっっったく君は!!!これから試験があるという自覚がないのかねッッ!!??」
校長室中に響く怒号。さっきから怒り散らしているのは、さっきまで校長室で震えていた副校長だった。
「す、すみません!!!!」
そして、怒られているのはもちろん、ロイ。内容はさっきの天竜のこと。
「君いわく、あの天竜は君のフレンドなんだろう!?しつけがなっていない!!天竜とはどういう生き物か、という事くらい、君にだって分かるだろう!?」
「…………それはまぁ、そうですけど……」
ボソボソと答えるロイ。それを聞いて、さらに機嫌が悪くなる副校長。
「とぉにかくッッ!!今回の件で君とフレンドのチームワーク点はかなりの減点となったんだ!!上位クラスに入る、という夢は諦めたほうがいいな」
「……!!そ、そんな……」
そんな二人の様子を、ダイアナ秘書は 優雅に紅茶をすすりながら見ていた。
〜マドリナ学院 校長室前廊下〜
「良くてもDクラスくらいだな」
「……Dクラ……っ……!!」
その声からロイが呆然としている様子がよく伝わる。
二人の話は、廊下までも響いていた。
「……………………」
それを校長室のドアにもたれて、腕組みをしながら聞いている影がひとつ。
そしてその影は、とても険しい顔をしていた……。
〜マドリナ学院 校長室〜
「……それにしても……。せめて、天竜になってしまうことぐらい止められなかったのか!?フレンドなんだろう!?」
「…………」
さっきから何度も同じ話を聞かされてうんざりするロイ。
(そんなこと、分かってます、って言えたらなぁ……)
思わずため息をつくロイ。そのあとすぐにハッとするが、幸い、副校長にはバレなかったようだ。
「……それで、一番重要な話なんだが……」
「…………え?重要な……話?」
いきなり話が変わって少し驚くロイ。……というか、今までの話は一体なんだったのだろうか。
ところが、彼の口から出てきたのは、あまりにも衝撃的な言葉だった。
「……フレンドを……変えて欲しいんだ」
「…………えっ」
あまりのことに、口がうまく動かないロイ。
「……そりゃまぁ、いきなりすぎるし、試験直前だから混乱するかもしれんがな。あれだけ暴れまくったのだから、仕方ないだろう?残りの時間があと少しあるから、その間にフレンドを探すんだな」
「……………………!!!!」
(……この人は……何を言ってるの?フレンドを、変える……?)
ロイの体の奥で、なにか黒いものがふつふつと湧き上がる。
それ以上、相手の話は耳には入らなかった。
その代わりに、聞こえてきたのは……。
<<憎め……恨め……怒れ……>>
憎悪の塊のような言葉。
そして、その一つ一つがロイの体に染み込んでいく。
「……憎め……恨め……怒れ……」
ゆっくりと、いつもより低い小さな声で呟くロイ。
それは、いつものロイではなかった。
「……?何か言ったか、ロイ・サルベルト」
副校長が聞き返す。何か異変を感じるダイアナ。
……もう……遅い。
茶色の目が赤く染まる。……ケダモノの眼だ。
そして……最後に一つ、呟く。
「……コロセ」
そこにいたのは、かつてケダモノと呼ばれた少年、ロイ・サルベルトだった。