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Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編始まりました§】 ( No.101 )
日時: 2013/06/29 22:41
名前: 珠紀 (ID: SU4m4287)

†ルキside†

「ーーー…?」

目覚めた俺の視界に飛び込んできたのは、いもむしの寝顔だった。

少し身じろぎすると、俺の頭に乗っていた手がパタリと落ちる。

…ずっと撫でてたのか…

恐らく、俺が寝てからあまり時間は経っていないはずだ。

俺が寝て、すぐに膝枕をしていたこいつも寝てしまったのだろう。

「…無防備な奴だ」

まだ重い身体を起こし、壁にもたれ掛かるいもむしの頬を撫でる。

「おい…そんなに無防備に寝て…俺が何もしないでいると思うか…?」

いもむしの頬を押して遊び始める。

当然のように反応はない。

なんの警戒心も持たない顔で、寝息をたてている。

「………………」

何故だが気に障る。

俺はいもむしの肩を押した。

いもむしの身体がゆっくりと床に横たわる。

髪がわずかに乱れたが、まったく起きない。

「…本当に…喰っちまうぞ」

相変わらずすうすうと眠るいもむしの顔へ顔を近づける。

ーその時

いもむしの口端が僅かに持ち上がり、微かな声が漏れる。

「…ルキ、さん…」

「……っ!」

ぎくりと心臓が跳ねた。

「…ちっ」

短く舌打ちをし、欲をぐっと抑え今度は額に顔を近づける。

「…ちゅ…」

そんな音がした。

「デコにキス……ガキかよ」

俺はいもむしの頭を撫でると隣に横たわり、小さな身体を抱き包む。

「ちっせ…」

俺が抱き締めると、小さく丸くなって俺にすがりつく。

…ヤバい…。

すべてが愛おしい。

「…何でお前は…」

そう呟いて、言葉を切る。

…本当にこいつには適わない。

一生愛す俺の花嫁…

俺だけの花嫁。

END