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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編始まりました§】 ( No.112 )
- 日時: 2013/07/04 22:01
- 名前: 珠紀 (ID: j1BtfBJW)
「あの…アズサ君…?」
「何?アリス」
私は今、動けない。
何故ならば、私がソファに座っている後ろにアズサ君が座り私を抱き締めているから。
…抱き締めていると言うよりは、抱き捕まっていると言った方があっているだろう。
「私…アスを起こして来なきゃ」
アスというのは息子だ。
あれから5年。
私は男の子を授かり、無事に産んだ。
「やだ…」
だけど、そんな言い分も聞いてもらえずアズサ君は私を抱きしめて離さない。
「アズサ君…」
「…だってアリス…あいつが起きているときはあいつばっかり構うじゃんか…あいつがお昼寝の時くらい俺にも構って」
…完全にむくれている。
アスを産んでからアズサ君の嫉妬深さは最高潮に達した。
…自分の息子にまでライバル心を燃やすくらいに。
子供に言う『結婚してあげる』なんてただの冗談の口約束にまで激怒するくらい。
「そろそろ…夕飯を食べないと」
もぞもぞと抜け出そうと動く。
「…ん」
観念したのか、腕の力を緩める。
だが、立ち上がろうとして腕を掴まれ引き寄せられた。
「…っっ」
キス…
「アズサ…君…ちょっ…っっ」
離されまたくっつき離され。
キスの雨だ。
「ぷはっ」
やっと口を離してもらえて大きく息を吸う。
「充電完了。うん、いいよ!アスを起こしてきても」
あんなキスされて、足がガクガクと立てないほどに弱っていた。
『起こしてきても』…って
「無理だよ!」
私は涙目でアズサ君を睨みつけたのだった。
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