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- Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編始まりました§】 ( No.127 )
- 日時: 2013/07/07 23:39
- 名前: 珠紀 (ID: GeNBR54o)
†運命の花嫁にトーマが贈るwedding†
ぎしり、とベッドが音を立てて軋む。
「あの、トーマさん……っ。ちょっと」
「……………」
痛いです。
腕を拘束されてーーと、いうか。
覆い被さるように、全身を押さえつけられていて、まったく身動きが取れなかった。
目の前には、意地悪な笑みを浮かべたトーマさんの顔。
「…………っ」
ふ、と耳に息を吹きかけられてピクリと身体がこわばる。
………怒ってる…。
ーー今日、私が外から帰ってからトーマさんはずっとこんな調子だ。
少しの時間、出かけただけなのに。
また、ベッドが軋む。
「…っトーマさん、痛いです」
「そりゃ、痛てぇだろうな。乱暴にしてんだから」
「ーーーーーーーーっ」
意地悪く、私の首筋に音を立てて口付けてくる。
「あっ…の…」
…わざとやってますね。
こうやって、私の反応を見て楽しんでいる。
「…いい加減にしないと、怒りますよ?」
目の前のトーマさんを睨みつけた。
「怒ってんのは俺のほうだっつの。逆ギレすんな」
「…どうして怒ってるんですか?」
「…自覚ねぇのか。そんならきっちり教育しねぇとな」
きょ、教育って…
腕を掴む手に、力がこもる。
唇がそっと首筋を這うように伝っていく。
「あ、トーマさん…っ!」
これはまずい。
どうやら、本格的に怒っているようだ。
…ちょっとだけ、トーマさんに内緒で外出してただけなのに。
帰ってきたらトーマさんの機嫌がものすごく悪かった。
…まさか…………嫉妬じゃないよね?
トーマさんはどちらかというと、私のことは放置だ。
嫉妬なんてめったにしないのだけれど…
理由も聞く暇もなく腕を掴まれて寝室のベッドに押し倒されて。
そして、今この状態だ。
私を見下ろす瞳は、ひどく野獣的でくすぶる怒りに冷えた色をしている。
…だけどこの目もすっかり慣れてしまった。
ずっと怖いと思っていた、このトーマさんの瞳も今では愛しいとさえ思えてくる。
見下ろしてくる瞳を、冷静に見つめ返すとおもしろくなさそうに唇を歪ませる。
「どうして怒ってるんですか?」
「……………」
静かに唇が落ちてきた。
甘えるように、鼻先を擦り付けてくる様はまるで犬のようでくすぐったい。
「お前…今日…男と喋ってただろ」