コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編始まりました§】 ( No.136 )
- 日時: 2013/07/09 20:38
- 名前: 珠紀 (ID: ovjUY/sA)
そう呟かれて、何度もついばむようなキスをしてそっと唇が離される。
けれど、また触れて。
掠めるようなキスを何度もした。
「…?」
なんで、今まで気づかなかったのか…
トーマさんの息から一瞬お酒の臭いがした。
これは…つまり。
「…トーマさん。酔ってますね?」
「…」
そう言うと無言で私の背中に手をまわす。
…トーマさんがこんなに酔うなんて珍しい。
お酒に強い筈なのに…
どれだけ呑んだのか。
「…話を逸らすな…男と喋ってたかって聞いてんだ」
鋭く冷たい瞳で見つめられ、ドキリとしてしまう。
「…喋ってたら…どうなんですか?」
少し挑発的に返してみる…
すると、面白いものを見るかのようにトーマさんは口角をあげた。
「へー…お前いつから俺より偉くなったんだ?俺を挑発するなんていい度胸だな…」
「トーマさん…」
さっきよりも力強く腕を握られ、顔を歪ます。
「……………………ん」
またキスの雨。
腕の痛さとキスの甘さが混じり合う。
「お前は…俺だけ…見てればいいんだよっ」
キスの合間に呟かれる言葉と吐息にゾクゾクと身体が震えた。
「…トーマさん…だけ…です」
そう呟くと腕の拘束が緩む。
その隙をついて、トーマさんの背中に手をまわした。
ぎゅっと引き寄せるように抱きしめればなぜか不満げな声をもらす。
「…なんつうかお前、俺に対してすげえ上から目線だよな。最初の純情さはどこにいったよ」
「トーマさんこそ、こんな乱暴な独占欲…知りませんでしたよ」
…お酒を呑んだとき限定ですけど…
「お前は俺のモンだろうが…それをお前が分かってないから」
本当に困った人だ。
…お酒を呑んだときでしか素直になってくれないのだから。
「そんなこと…滅多に言わないじゃないですか」
あ…
またあの目
相手を射殺すような補食しようとするような目。
トーマさんはいつも、独占欲が強くなるとこの目をする。
「ふふ…」
思わず、笑いがこみ上げる。
「何笑ってやがんだ、こら」
「…トーマさんが、こんなにも独占欲が強い人なんだなって思って」