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†トーマside†

本当にな…

こいつに抱きしめられて、ホッとしている自分がいる。

名前を呼ぶと笑いかけてくれるお前にホッとしている自分がいる。

いつか、俺なんか捨てられるんじゃないか…って。

心の奥底で震えている自分がいつもいた。

だけど…こいつは

「…同感だ。俺も知らなかったぜ…」

どんなに酷くしても笑いかけてくれるから…

「こんなに溺れるなんて…な」

今度は優しくアリスに唇を重ねる。

深く、口づけをする。

何度も、何度も。

息が出来ないくらい。

「…っ」

だけど、優しいのは性に合わない。

少しずつ乱暴になっていく。

「…ス、ストップ」

肌に触れると胸を押し返された。

…やめてと言って、止めるような性格ではないことは知ってるだろうに。

むしろ…やめてと言われると

「嫌だ」

「ーーーーっ」

べっっと舌を出すとアリスはさっきよりもっと暴れ始める。

…逆効果だっつの。

嫌がられれば嫌がれるほど…燃える。

「ト、マ…さんっ」

「…お前のその、泣き出す寸前みたいな顔…すげぇ好き」

そう言うと真っ赤になるアリス。

「…アリス。俺から、放れるなよ」

呟くように名前を呼ぶ。

すると、そっと背中に腕を回してくる。

同じように強く抱き寄せる。

「放してやらねえ。ずっと…俺だけのモンでいろ」

アリスは少し笑いながら、俺の頭をくしゃりとなでた。

ーーそっと、目を閉じて。

アリスの体温に委ねた。

…絶対

逃がさねぇ。　

お前だけは。

END