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Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編スバルルート更新§】 ( No.151 )
日時: 2013/07/14 12:58
名前: 珠紀 (ID: 19azOdVu)

                  …†††…

「よしっ!」

やっとのことでスバル君から逃れると、私は“あるもの”を作っていた。

「アリス、何作ってる」

「…っこれをのせて…完成!あっスバル君。できたよ」

「…………」

作ったものを見せると、スバル君は困惑した表情になる。

「あのさ…これ、誰に作った?」

「え…?スバル君にですけど」

生クリームケーキ。

「もしかして、嫌いだった…?」

「…好きとか嫌いとか言う以前に大きすぎ」

チラリとテーブルの上においたケーキを見る。

「…そうですか?」

「…何で三段重ねなの?…殺すき?」

…た、確かに大きすぎたかもしれない。

ウェディングケーキかと間違えられるくらいの大きさだった。

「この本、この前ルキさんにもらったから。……スバルに作ってやれって…だから作ってみたんですけど…」

その本の表紙には『初めてでも簡単!総重量5キロのタワーケーキ!』と書いてある。

「……どういう需要があるの、これ。ルキ…面白がってるだろ、絶対」

「あの…迷惑でしたか?」

あんまり嬉しそうじゃないスバル君を見て、肩をおとす。

だけど、ぽんっと頭に手をおかれる。

「……嬉しい」

そう言って優しく撫でられた。

「…ただ、この量は食べられない」

「大丈夫、私も食べます!」

ふんっ!と両手をぐーにしてガッツポーズを作る。

「…………アリス」

「…?スバル君?」

そっとスバル君の顔が近づき、唇が重なる。

「あ…」

「クリーム…ついてた。ん…甘い」

至近距離で視線が混じり合う。

「…くすぐったいです、スバル君」

唇を離そうとすると腕を背中に回される。

「逃げるな。…もう少し…」

「ん……っ」

「俺の糖分は、アリスで充分」

顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。

熱い視線に目が反らせない。

「ーー今でもこらからも、何があっても、どんなことが起きても…」

『お前を愛してる、アリス』

耳元で囁かれる声は、優しい音色に包まれている。

「私もです…スバル君」