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Re: †4人の死神と囚われアリス†【§番外編全員END完了§】 ( No.158 )
日時: 2013/07/16 11:06
名前: 珠紀 (ID: qsIQOkd3)

【番外編】たくさんのコメントありがとうございました!
これから本編に入っていきます。
ほ、本編もよろしくお願いいたします!!!!!!(^^;)

本編>>81続き

                  …†††…

「トーマさん」

私は裏庭にいたトーマさんに話しかける。

「…っな!お前何で1人でいんだよっ!他の奴らは!」

「あ…えっと」

…3人に秘密で無断行動しているなんて…言えない。

「…ッバカ野郎っ!何かあってからじゃ遅いんだ!なにかあってからじゃ…もうお前を…」

強い力で抱きしめられ、身動きがとれない。

「トーマ…さん?」

カタカタと大きな身体を震わすトーマさん。

戸惑いながらも背中に手を回すと、ぴくりと反応したが拒みはしなかった。

「…トーマさん達は…私の何を知っているのですか?」

「…っ!!し、知らねーっ!俺は、思い出したくもないっ!」

「きゃっ!」

そう言って、私を地面に押しおとす。

「…何やってんの?」

その瞬間、後ろから聞いたことのない低い声が聞こえた。

「アズサ…君」

低い…

まるで憎しみのこもった声。

「…っ」

「トーマ…今、アリスに何した?」

トーマさんは、私を押しおとした手を見つめているばかり。

「…ルキもお前も…本当にカスだな」

え…

ぼそりとアズサ君が呟いた言葉に耳を疑った。

『カス』…?

誰…この人。

アズサ君ならぬ発言に私は隣に並んだアズサ君の顔を見上げた。

…だけど、正真正銘のアズサ君が立っている。

「あいつと一緒にするなっ!」

トーマさんはアズサ君の胸元をつかみあげる。

「同じじゃないの?さっきアリスを傷つけたじゃないか。…傷の大小なんて、関係ないんだよ…」

『怖い』…

アズサ君が…『怖い』。

「…っ」

トーマさんは、ガンっと壁を強く叩いて後ろを向き歩き出した。

                  …†††…

「大丈夫?アリス」

トーマさんの姿が見えなくなったと同時に、アズサ君はにっこり笑って私に手をさしだす。

だ…れ

この人は…

アズサ君で。

でも、違う人みたいで…

「い…っやっっ!!!」

思いっきりアズサ君の手を弾いてしまう。

アズサ君の笑顔はみるみるうちに消える。

「そっか…怖いよね…僕。だけどね」

ー僕の存在意義は君を守ることだから…僕は君から離れないー

悲しい笑顔で私にそう呟いたーーー…。