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Re: †4人の死神と囚われアリス†【§過去編start7/21§】 ( No.186 )
日時: 2013/07/24 14:00
名前: 珠紀 (ID: hqDEfpDX)

「パパ、何ですか?」

2人に手を引かれ、センリの前に立つ。

「ちょっと、教会に行こうと思ってね?アリスは行くかい?」

「うん!行きます!」

教会は好きだ。

ステンドグラスが壁に張り巡らされていて、とても綺麗なところ。

神父様たちも優しくて大好き。

「トーマとスバルはどうする?」

チラリとトーマとスバルを見ると、嫌そうな顔。

「俺は行きたくない」

「俺も…」

なぜか2人は教会が好きじゃないみたい。

トーマ曰わく『神様なんていねーから』

スバル曰わく『めんどくさい…』

だそうだ。

「じゃあお留守番を頼んだよ、2人とも」

私とパパは2人に手を振って家を出た。

                  …†††…

「おぉ、よくお越しくださいました!」

神父様たちが笑顔で迎えてくれる。

そのまま、パパは神父様と話し込んでしまっている。

「…………」

キョロキョロと辺りを見渡す。

『あの男の子』どこだろうか…?

『あの男の子』とは、教会に住んでいる男の子のこと。

3ヶ月前から教会に住んでいる。

名前は…

「アズサ君っ!」

その男の子の姿を見つけると、駆け出し抱きつく。

「なんだ…アリスか」

身体のあちこちに包帯を巻いている彼は、ゆっくりとこちらを見た。

「アズサ君、こんにちは!」

「…っ」

笑顔を向けると、そっぽを向かれてしまう。

今日もダメ…か。

彼は笑わない。

初めて会った時なんて、絶望に満ちた目で私を見つめていた。

だけど…最近

「照れてる?」

「照れてないっ!」

表情が出るようになった。

彼は真っ赤になって私の方を向く。

「ふふっ」

そして、私が微笑むと少しだけ口角をあげるアズサ君。

「わら…った」

少しだがアズサ君が笑った。

「…僕が笑っちゃ悪いの?」

「ううん!そんなことない!笑った、笑ったっ!」

嬉しくて、はしゃいでしまう私。

「うるさいよ」

また笑顔を向けるアズサ君。

「ーっ私、アズサ君の笑った顔大好きっ!」

「…そっか」

『じゃあ、アリスの前ではいつも笑ってるようにする。アリスといると笑顔になれるから』ーーーー……。