コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: †4人の死神と囚われアリス†【§過去編7/25更新§】 ( No.193 )
日時: 2013/07/25 21:20
名前: 珠紀 (ID: VhCiudjX)

「ルキ…」

抱きしめ返そうとしたら、思いっきりひっぺかえされる。

「お前ってさぁ…いもむしみたいだよな」

「い、いもむし…?」

いもむしってあの昆虫のことだろうか。

あんな気持ち悪いものと一緒にされても嬉しくない。

「どこもかしこもフニフニしてて同じ体型」

幼児体型と言いたいのか…

4歳なのだから…仕方ないのではないのか。

「それ…誉めてるのですか?」

「…誉めてる言葉に聞こえるか?」

べっと舌をだすルキ。

…さっきまで半泣きだったくせに。

「アリスっ!どこにいるんだっ!アリスっ!」

「あ」

パパの声が聞こえた。

「私…行かなきゃ」

「あぁ」

手を振ってルキと別れる。

あ…また…

ルキはいつも別れる時、悲しい顔をする。

『行かないで』

そう言っているような…

「また…会いに来るよ」

そう小さくつぶやいて、センリの元へ走っていった。

                  …†††…

「ただいま」

「おかえり」

家へ帰ると出迎えてくれる2人の姿。

「…アリス」

なぜか怖い顔をしているスバル。

「?」

「ちょっと、おいで」

手を引かれ、部屋へと入る。

「またあいつと会ったの?」

ーギクリッー

「…血の臭いがする」

あ…今日、抱き締められたから。

「あの…ごめんねっ!このことはパパには内緒にっっ」

言葉の途中で抱きしめられた。

「スバル?」

「俺…この臭い嫌いだ。母さんと父さんもこの臭いがした」

血の臭い…

トーマとスバルの両親は通り魔に目の前で殺されたと聞いた。

「アリスはあいつのことが好きなの?」

『好き』と聞かれ子供ながらに真っ赤になってしまう。

「好き…だけど、トーマやスバルと同じ好きですよ」

「あんな奴と一緒にされたくねぇけどな」

後ろを振り返るとトーマの姿。

「なぁ、アリス。もうやめねぇか?あいつに会うの…俺らはお前のこと本当の家族じゃねぇけど大切に思ってる」

「あんな奴とこれ以上会ったら…危険だよ…」

『危険』…?

違うよ。

2人共…ううん、皆『ルキ』を勘違いしてる。

ルキはそんな子じゃない。

「センリさんも心配してる」

「分かって…アリス」










「ぅん……」

私は頷いてしまった。

『また…会いに来るよ』

…約束、守れない…ルキ…

会いたいのに…

ルキは悪い子じゃないのに。

どうして…

ルキ。