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Re: †4人の死神と囚われアリス† ( No.261 )
日時: 2013/09/08 22:10
名前: 珠紀 (ID: HBSbPqD3)

>>204(本編【過去編】続き)

「…っ馬鹿か、お前!何で起きてんだよっ!」

いきなり大声を出される。

「…は?」

「っいいから早く中入れ!センリさんに見つかるだろうがっ!」

掴んだ腕を離さずそのまま家に入れられる。

だけどトーマは入ろうとしない。

「トーマは?」

「俺は夜行性なんだよっいいからお前だけ家に入ってろ」

返事をする暇もなく、家の扉を閉められた。

「…」

1人ぽつりと扉の前にたたずむ。

「トーマ…」

トーマからした血の臭いと土の臭い。

「ルキ…」

同じ臭いをルキはいつも漂わせていた。

『会いたい』

その4文字が頭に浮かぶ。

…そっと扉の取っ手に手をかけた時。

「アリス」

後ろから誰かに呼ばれた。

「スバル」

振り向くと怒ったように鋭い目を向けるスバルの姿。

「どこ…行こうとしてるの?」

ギクリと身体が震える。

「…ルキのところ…」

嘘をついても結局分かってしまう。

ここは正直に答えた。

「…どうして…」

ぎゅっと握りしめたスバルの拳から血が滴り落ちていた。

「スバっ…」

「どうして…分かってくれないんだ…っ」

急に接近されたかと思うとどんっと体を押された。

地面にお尻から倒れる。

「痛っ」

すかさず両手首を頭の上に押さえつけられ身動きが取れない。

「…アリス…」

悲しい顔で私を見つめる。

キュッと胸が締め付けられた。

「好き…だ…よっ」

押し殺すように呟いたスバルの声が静かな夜に響いたーー…

「好き…なんだ…アリス…」

…ー行かないでー…