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- Re: †4人の死神と囚われアリス†*本編再開* ( No.268 )
- 日時: 2013/09/13 21:50
- 名前: 珠紀 (ID: D6FduTwT)
『好き…なんだ…アリス』
いきなりのことで思考が停止する。
「家族としてでしょ?」
スバルは静かに首を振った。
「……っ」
嘘…
「…言うつもりなかった。でも、アリスがアイツのとこに行こうとするから」
『アイツ』
「ルキ…」
ルキのことだろう。
「ダメだよ…行かせない」
スバルの瞳が私を見つめる。
ぎっちりと掴まれた手首がキリキリと痛む。
子供の力とは思えない強さで顔が痛みで歪む。
「アイツは“死神”だ。人殺し…自分が生きるためなら人を殺すコトなんてなんとも思わない悪魔」
「違うっ!ルキはそんな子じゃないっ!」
一瞬スバルの瞳が哀しみに揺れたが、すぐにもとの無表情に戻る。
瞳をゆっくりと閉じ私を見据えた。
「…俺とトーマの親はね…」
“〜〜〜〜…〜〜〜…〜〜〜〜〜…”
…耳を塞ぎたくなるような言葉に、声が出ない。
「…聞き間違いだよね?もう一回言って?」
信じたくない気持ちから聞き間違いだと思い込む。
…違う。
絶対に聞き間違いだよ…
そんなはずがない…
そんなっ
「俺とトーマの親はルキの父親に殺された」
音が消える。
目の前が真っ白になる。
「…だからその父親の血を受け継いでいるアイツも人殺しだ。“人殺しの息子”だ。悪魔の子」
違う…
違う…っっ
「違うっ!!!!!!!!!!!!!」
ルキはそんなことしない…
人を殺すなんてしない…
たとえルキの父親が人殺しだったとしても…ルキには関係ない。
ルキはその父親とは違う…っっ
思いっきりスバルを押し退けるとスバルが私から離れよろめく。
そのすきに扉を開け外にでる。
ちらりと後ろを向くと傷ついたスバルの顔が目に入った。
「…っっごめ…ん」
そう呟いて走り出す。
泣いちゃダメ。
私には泣く資格なんてない…
傷…つけた。
ごめん…
ごめんね、スバル…っ
だけど…
「ルキっ」
私はルキが…
キラキラと光る星の中、
真っ暗な夜道を私は駆け出した。
ー…ルキのもとへ。