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Re: †4人の死神と囚われアリス†*『第1回人気投票』※開始です* ( No.311 )
日時: 2013/10/14 20:23
名前: 珠紀 (ID: caz/iih5)

「アズサ君…」

あの後トーマに手伝ってもらいアズサ君を部屋に運びベッドに寝かせた。

じっとアズサ君を見つめる。

『ずっと笑顔でいる』

そう小さい頃に約束をした…

「ずっと…守ってたんだ…」

だから、アズサ君はいつも笑顔だった。

苦しかったのに…

きっと…私に早く思い出して欲しかった。

「ごめんなさい…ごめん、ね…っ」

「泣かないで…?」

「!」

そっと手に暖かい物が触れる。

さっきまで寝ていたはずのアズサ君の手が私の手の甲を包んだ。

「思い出したんでしょ?…僕のこと、トーマ、スバル…あの事件。そしてルキ」

『ルキ』という言葉に憎さが伝わってきた。

『憎い…許さない…』

アズサ君の心の声が耳に響いてくる。

「アリス」

耳を塞ぎたくなってくる声に戸惑っていると、アズサ君の手が私の頬に触れる。

「ーっっ嫌っっ!」

ガタッと音をたてて立ち上がったためか、座っていた椅子が倒れた。

「あ…」

私が声を漏らすとアズサ君の顔が悲しく微笑む。

「…僕が怖い?僕はずっと本当の僕を押し殺してた…本当の僕は残酷な奴なんだよ」

「ち…がう」

「僕はアリスのためなら何だってやれる」

やめて…

「こんな汚れた手で君に触れることを許してほしい…」

私はアズサ君をこんな風にしたくてあの約束をしたわけじゃない…

「アズサ…く、ん」