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Re: †4人の死神と囚われアリス†*『第1回人気投票』※開始です* ( No.321 )
日時: 2013/10/19 13:51
名前: 珠紀 (ID: VnoP1T29)

ひとりだった


僕はいつも独りだった、
孤独だった…


両親の顔なんて知らない
兄弟がいたことさえも知らない。

自分が何者でかさえも…



僕は…生きていていいのだろうか?
生きていて何か得られるのか

『生きる』とは何かーーーー…





「アズサ君」





ひとりの少女が僕に光をくれた、、
そんな僕の物語ー…

                 …†††…




†アズサside†

「君の名前は?」

「アズサ」

人柄の良さそうな男に手を差し伸べられ連れてこられたのは、とある教会だった。

…こいつ、神父か

「今日からここに住むといい。出て行きたかったら出て行くのも君の自由だ、アズサ」

最初は戸惑ったが、今日からただ飯が食えると言う訳だ。

僕はコクリと頷いた。

神父が去ると辺りを見渡す。

…僕のような子供がたくさん…

「…僕みたいな孤児を引き取ってるっていうわけか」

とんだお人好しだな…

ニコニコ笑ってはしゃいでいる子ども達。

無性に腹立たしい…

僕は…もうこいつらの様には…

「笑えない」

ポツリと呟き僕はそいつらを見つめた。
















教会にきて数日が過ぎた。

相変わらず僕は1人。

話しかけてくる奴はいたが、ガン無視。

僕は群れる気はない。

『寂しくないの?』

その中のひとりが僕にそう言った。

「寂しい…、か」

空を見上げると、誰かの影が僕に被る。

「私も一緒にお空を見てもいいですか?」

驚いて目線を向けると少女の姿。

…誰だ?

新しくここに来た奴…?

いや…

丁寧な言葉遣い、血色のいい白い肌、乱れていない綺麗な髪、汚れていないピンクのワンピース。

…普通の家庭の子供だ。

「好きにすれば」

視線を逸らしてまた空を見上げる。

「はいっ!」

嬉しそうに頷いた彼女は僕の隣にストンと腰かけた。

「…」

「…」

…何だこいつ。

他の奴らは名前やら何やらウザったく聞いてくるのに…

無言だ。

チラリと見ると彼女も僕の視線に気づいたのかこちらを見る。

目があうとにっこり微笑みを向けてくる。

「…っっ」

その視線に耐えきれず思いっきり視線を逸らす。

ド、ド、ド、ドと鼓動が弾んでいた。

な、何だよ…こいつ。

何も話しかけてこず、目が合うと笑いかけ、ただ隣で静かに空を見上げる…

ぐるぐると考えていると、いきなり立ち上がり僕を見下ろす。

「またね」

そう言って父親らしき相手の元へ走っていく彼女。

『またね』…

また…ね。

「変な奴」

僕は彼女の後ろ姿にそう呟いた。