コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: †4人の死神と囚われアリス†*『第1回人気投票』※開始です* ( No.345 )
日時: 2013/11/10 01:52
名前: 珠紀 (ID: H65tOJ4Z)

「で、あのシンて奴に俺らは踊らされていた、お前の記憶を消したのもそいつってわけか」

トーマが朝食を口にしながら喋る。

「き、汚いよっ!トーマ!」

「あぁ!?」

口から食べ物がポロポロと飛び出る。

き、汚い…

「あいつも人間じゃないってこと?僕やトーマやルキとかスバルとは違うってことだよね…?」

「…たぶん…私と同じ…【神なる者】」

左右の違う瞳…

ぞっとするほどの美貌。

おぞましい威圧感…

「シン…」

【神】ー…。

「どーでもいい」

スバルは素早く席を立ち食べたお皿を水に浸した。

「俺はアリスを守れれば」

そう言ってリビングを出て行ってしまった。

「…害になるなら殺せばいい」

ルキも席を立ち、お皿を水に浸す。

「殺すのが得意だもんね?」

アズサ君も席を立ちルキの横に立つ。

「……」

「……」

2人に嫌な空気が漂う。

…やっぱりすぐには仲良くなれないか…

「めんどくせーな、おい…」

その様子を呆れたようにトーマは見つめていた。

                  …†††…

みんながリビングを出た後、ひとりで悶々と考え込んでいた。

「う〜…」

シン…かぁ。

『気に入った』

シンの言葉を思い出し、顔が火照る。

「い、いやいやいや!そ、そりゃあ美形だったですけど!」

「何やってんの」

「!」

両手をブンブンと振っていると、リビングに入ってきたスバルと目があう。

「いや!あのっこれは!別にシンのことを考えて照れていたわけではっ!」

「シンのこと考えて照れてたんだ」

「っ!?ぐっ…いや…そりゃあんなこと言われたことないし…美形だったし…っでもスバル達も美形だし…えっと、んと…」

ぶつぶつと喋っている私の隣にスバルは座る。

…そう言えば…

「スバル…大きくなったね」

昔のスバルを思い出し、つい母親のようなことを口走ってしまった。

そっと頬に手を当てぷにぷにと押す。

「…」

「昔は同じ身長だったのにね」

懐かしくなって頬が緩む。

「…んとに…」

「え?」

聞き返す前に身体が座っていたソファーへと倒れる。

手首を頭の上で拘束され身動きができない。

「…っ!」

これ…あの時と同じ…

私がルキのもとへと行こうとして止めたときと同じだった。

「ホントに無防備すぎ」

「ちょっやだっ…スバルっ」

唇が触れそうになりとっさに顔を横にそらす。

「も、もう…からかわないでくださ…っ」

笑いながらスバルの顔を見る。

「…っ」

また同じ顔…あのときと。

「俺の…俺の感情は今も変わってない」

「…っ!?」

無理やり顔をスバルの方に向かされ重なる唇。

「…ん…」

乱暴かと思ったが優しい…宝物みたいに。

「アリス…」

キスの合間に呟かれる愛しそうな声に力が抜け、抵抗できない。

「壊したいほど愛してる」