コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: †4人の死神と囚われアリス†『第1回人気投票』11/30〆 ( No.357 )
- 日時: 2013/11/18 00:23
- 名前: 珠紀 (ID: VnoP1T29)
「…」
部屋に戻って1人考える。
『いつか…俺らは…』
何なのだ。
「俺らは…いつか…俺らは…」
何度も何度もこの言葉を繰り返しても答えが出ない。
「いつか…俺らっ」
「何回言うつもりだ」
びくりと声の方向へ視線を向けて身構えた。
「シン…」
「…そう警戒した目で見られると…」
悲しそうな目で私に近づき手首を掴まれ引き寄せられた。
耳元に息を吹きかけられる。
「!?」
「逆にそそられる…」
口角をあげ微笑む彼の顔はやはり目を奪われるほど美しい。
「はっっ…なしてくださいっ!」
いくら暴れようとも男の力…ふりほどけるわけがない。
「…っくく。お前は本当に面白い…俺のアリス」
「あなたのなんかじゃありませんっ!!」
睨みあげるとまたもや嬉しそうに髪の毛を優しくすかれる。
だが、急に真剣な顔になり私の顎を持ち上げた。
じっと見つめられ、こちらもじっと目を反らさずシンを見つめ返す。
「…お前は本当にあの美しく醜い人間の女に似ている…お前の母親にな」
「…あなた…私の母を知っているのですか?」
シンはキョトンと私の顔を見ていきなり笑い始めた。
「ーっふ、はは…っそうか。お前は知らぬのだったな、はははっそうかそうかっ!」
この男は狂ったのか…
チラチラ私を見るなり笑うの繰り返し。
「なっっなんですか!」
「ふ、ははっすまぬすまぬ。…そうか、父は何も言わなかったか…」
…父?
「俺はお前の兄にあたる存在だ。…腹違いのな」
「!?…あ、兄…っ?」
あまりの衝撃的な真実に言葉を失う。
「俺の母はお前の母親とは違い神だった…」
「【だった】?」
「まぁ、色々あって地獄へ落とされたがな…お前も知っているだろう?名はメデューサ」
【メデューサ】…
哀しき地獄へと落ちた元神。
「…メデューサが地獄に落ちた後、父はある人間と出会った…お前の母だ。お前の母は人間とは思えぬほど美しい女だった…お前のようにな」
そっと手の甲にキスをされる。
絡まる視線に目が離せない。
「恋に落ちるのはそう遅くはなかった…そして、生まれたのがお前というわけだ」
その後…ママは他の神から反発をくらい神達の手によって殺された。
「…神様は…勝手ね…」
「…」
シンは何も言わず目線を私から外さない。
「シン…私があなたの妹なら、どうしてそんな恋人に向けるような目で私を見るのですか?」
「…悪いか?神の世界には妹に恋をしてはいけないというルールなどないからだ」
自信満々に述べられ、ポカンとしてしまう。
「邪魔なあいつらも時がくればお前の元から消えてくれる」
その言葉にシンへと身をのりだす。
「どういうこと…?」
「あぁ…このことも父は言っていないのか。仕方がない、俺が言ってやろう」
胸騒ぎがしてた。
それは…
「12月25日。Christmas…それがあいつらの最後の日だ」
このことだったのだ。
その日は今も
1秒1秒
刻々と近づいている…