コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: †4人の死神と囚われアリス† ( No.391 )
- 日時: 2013/12/17 23:53
- 名前: 珠紀 (ID: bStwRqTd)
†Toma Christmas love†
「ちょ、ちょっと待て。あんまりこういうのは慣れてねーからなんか息苦しくなってきた。っつーか心臓が口から飛び出しそうだ……っ」
「だ、大丈夫?トーマ!?」
「だから目のやり場に困るって言ってんだろ!むやみに近づくな!!」
「そんな、近づくなって……」
なぜこんなやり取りをしているのかと言うと、遡ること30分前。
事はシンである。
いきなり現れては『クリスマスにはパーティーをするらしい』などと言って無理やり付き合わされているというわけだ。
私は、シンがどこから持ってきたか分からないドレスを身にまといトーマに見せている状況である。
「あ、いや……!近づくなってのは、見てえけど近づきすぎると危ねぇって意味で……ああもう、面倒臭ぇ!!」
「っ……トーマ……」
抱き締められた背中越しにトーマの鼓動が伝わり、すごくドキドキしているのが分かって……
その音に重なるように、次第に私の鼓動も早くなっていく。
「……だめだ。こうすればお前の顔が目に入らなくていいと思ったけど、余計に…」
「わ、私も……」
嬉しいけど、ちょっと恥ずかしくて、息苦しくて……
「だけど、こうしてると、恋人っぽいつーか、嬉しいっつーか……俺は、お前のことを大事に想ってた時間が長すぎて一生懸命我慢してねーと、お前を傷つけてしまうんじゃねーかって……いつも、怖いんだよ」
「トーマ……私はトーマに何をされても傷ついたりなんかしないよ。キスとかも、いつも優しいし……」
「そんなこと言うと、今ここでするぞ」
トーマの顔が次第に近くなる。
「っ……トーマ……」
「……好きだ。お前以外の女なんて、今までもまったく目に入らなかったけど。こらからもずっと、俺にはお前だけでいい。だから、お前も……」
目を閉じると、トーマの唇が、優しく押し付けられた。
「うん……私にも、トーマだけでいい」
そう言って微笑むと、もう一度唇が重なって……
私たちは恋人のキスを、幾度も交わしあったーー
END