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「眠い…」

昨日のキッチンの片付けは朝の5時まで続いた。

アズサ君達は最後まで手伝ってくれたけど、7時まで仮眠をとっていた。

私はというと…

朝食の準備とお昼の準備があったため寝ることができなかった。

「疲れた…」

5人分のご飯を作るのには手間がかかる。

登校中、そんなことを考えながらユラユラとルキさん達の後を追う。

「アリス、大丈夫？」

アズサ君が首を傾げながら聞く。

ぅ…可愛いなぁ。

男の子の姿になってもアズサ君はアズサ君で、可愛いのは変わっていない。

「大丈夫」

笑顔を返すと安心したように私を見た。

「ちんたら歩くんじゃねーよ、のろまっ」

ドンッとトーマさんに肩で押されよろめく。

「おい！トーマ！」

アズサ君が私を支えながら、トーマさんを睨みつける。

「…」

だけど、トーマさんはそれを無視して学校の中へ１人入って行ってしまった。

「…私、何かしたのでしょうか…」

あんなに嫌われていると、傷つく。

「…ガキ」

ルキさんはトーマさんの後ろ姿を見つめ、そう呟いた。

「トーマは昔からあんな感じだから、気にしないで？」

「ぅ、うん」

トーマさんは私だけじゃなくて誰にも心を開いていない感じがする。

まるで…『ひとりでいい』って言っているような。

私はトーマさんの後ろ姿を見つめる。

『寂しい』

そんなの…寂しいだけだよ…