コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 災能(仮)(タイトル募集w) ( No.3 )
- 日時: 2013/06/04 21:16
- 名前: らい (ID: .r7VG6cg)
担任になったのは、新しく入ってきた若目の男性教師。体育担当で豪快な笑い方が生徒を引かせた。そして、大半の者がドラマの熱血教師が出てきた。と思っただろう。
質問を大勢が何個もするせいで時間がなくなったため、思った通り先生の自己紹介だけで今日は下校になった。
(早く終わったし、近道でも探すか。)
始業式など午前中に終わるときは、近道探す。どうせ家に帰ったところで昼食は買いに行かなければならない。だから、少し(?)遅く帰宅しても大丈夫だ。周りはそんな芽衣の横を通ってさっさと帰っていく。きっと、これから遊ぶのだろう。
別にうらやましくなんてない。部活にも所属していないからどうせ同じクラスもそれ以外にも友達いないし。喋ろうとする子もいない。話しかけることは、自分から硬直しに行くようなものだし。誰も聞いていないが何故か言い訳をする。そして、そんな自分に"言い訳はいいわけ"。というくだらないツッコミを入れて少しにやける。顔を伏せてるからみられることはない。まあ、見られたところで特に何もないが。
近道探しに戻ろう。いつもなら真っ直ぐ行く道を右に曲がってみる。すると、左に雑木林が。桜と新緑がついた二種類の木が特に規則性もなく人1人分の細い道を並んで作っている。桜のピンクと新緑の緑が絵画のように太陽の光と合わさって輝いて見える。キレイな風景に奥の細道的なものを期待して足を踏み入れる。ちなみに、奥の細道が何かを理解していない中学二年生の芽衣である。
大分歩いた。近道のはずだったがもう通常着く時間を優に越えているだろう。道は進んでいく度に、少しずつ木々が減り、石ころが少なくなっていった。足元をさしていた視線を上げてみる。すると、そこに人が立っていた。白いヘアバンドで前髪がフワッと上がっている。後ろ髪は前髪の黒と違い薄い茶色をバサッと下ろしている。大きな目がこちらを見ていることに気づくと視線をまた下げる。
「顔、上げて。大丈夫。ミーは固まんないよっ。」
へ?自分の気にしているところをフォローしてきて顔を上げ、目を見開く。それも、知り合いでもない人だ。何故?どうして?ってか誰?が頭を埋め始める。
「驚くよね。そりゃ。ま、気にしないでこっち来てっ。」
笑っている相手に眉間にしわがよる。着いていくべき?行かないべき?に頭の中が変換。すると、いきなり手首を捕まれた。振りほどこうとしたら、笑顔のまま走り出された。
「ちょ、ちょっと!どこ行くんですか!?離してください!」
「いいから、いいから!」
いや、よくないから!と叫んだがスルーされてしまった。手首が少し痛いくらいの力でとられているため逃げれない。ただ、相手のペースに合わせて足を動かす。段々と木が綺麗に並び始めた。八の字に開けた木々の間に光が強く刺すようになってくる。眩しいと目を細めてしまう。
「到着!」
その言葉に反応してそちらに顔を向けて目を大きく開く。
そこには、白壁に少しツタが生えた大きめの建物が堂々と立っていた。始めは狭かったはずの木の間は建物が入っても横に余裕がある程の広さになっていた。上を向くと円状に空が見える。
「ようこそ!災能を持った人の学園。我らの...学園名ついてないけど、Welcome!」