コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ケイって名前はSiを覚えるときに役立ちましたb ( No.6 )
- 日時: 2013/06/08 13:51
- 名前: らい (ID: zBomOk9a)
さっき、前を通った時は誰もいなかった教室が戻ってくると騒がしくなっていた。いつの間にやらみんな、集まってきたようだ。二人に「ちょっと待ってて」と言われ、中に入っていった扉の前で待つ。入っていいのかタイミングを聞き忘れた事を少し後悔なう。
「あ、メイちゃん。どうした?」
背後からの声に驚き振り向くと、そこには黒スーツを着た女性が。目尻が上がっているせいか少し怖く見える。だが、名前を知っていることからきっとここの人なのだろう。勇気を出して聞いてみる。
「えっと…ミーさんにここでちょっと待っててと言われたのですが…。」
「あぁ、ミーか。OKOK。アタシの後ろについてきな。」
笑顔を向けられると安心する。がらりと扉が開く。
「はい、座って!授業の前に今日から入る子を紹介するよ。」
恐る恐る隣に行くと隣同士に座ったミーと水無が目に入る。苦笑いのミーが頭の上で手を合わせている。きっと何も伝えなかったのを謝っているのだろう。大丈夫と、指で丸を作り返しておく。
スーツ姿の先生らしき人に小さい声で
「さ、メイちゃん。軽く自己紹介しな。」
と、言われた。
自己紹介と言われて何を言おうか考え込む。転校の経験はもちろん、学校でも自己紹介なんてカードを書くくらいしかしたことがない。うつむいてしまう。すると、目の前の席の男の子が声をかけてくれた。
「よっ!俺、セナっていうんだ。よろしくな!えっと…名前は?」
突っ伏ているせいで下から顔を覗かれる。恥ずかしくなりバッと顔を上げ、正面を向く。
「メ、メルィ…れす…。」
恥ずかしさのせいで噛んでしまった。すると、周りから「メリーだって。可愛いね。」「噛んだんだろ?ま、メリーで決定で!」という声が上がる。言い直そうとすると先生に「とりあえず、水無の後ろに座って」と、言われ後ろに行く。
「改めて、よろしくね。メリーちゃん」
「よろしくな、メリーっ!なんてな!ワハハハ!」
「メイですっ!…プッ、ハハハ!」
笑う二人につられて笑ってしまう。久しぶりに声を出して笑った気がする。今までずっと顔を下げてほぼ無表情でいたせいで、頬の筋肉を使うのが少しつらいが、笑いが止まらない。学校ではありえないくらいに明るい声が続々と芽衣を包んでいく。「災能は何なの?」「髪なっげー!ミー、切ってやれよ!」
「ほらほら、みんなメリーとしゃべりたいのはわかるが授業だよ!って言っても、今日はメリーと仲良くしろっていう授業だがな。」
「いぇーい!ケイ先生最高!」
ケイ先生のニカッという笑顔はかっこよくいい先生なんだ。と、芽衣は思う。その後ろで心では
授業…学校…あれ?
「今、何時ですか?」
「ん?10時だよ?」
「え、嘘!?」
先ほどの嫌な予感はコレのようだ。近道のために入った雑木林の中に長居したことに気付くと立ち上がり帰ろうとする。10時くらいに
学校は終わったから12時間。半日も時間を過ごしたことになるではないか。
「ちょ、待って!今、午前の10時だよ!?」
3回目。また、ミーに手をつかまれると耳を疑う。午前?そんな訳がない。1時間は案内で終えているだろう。はぁ!?と、ついあまりよくない言葉遣いになってしまうと、ケイ先生が目の前に立った。
「メリー。驚かないで聞きな。ここは、災能を持った人の学園。だから、時の流れも災能によってごまかしているんだ。」
え?