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Re: 〜君が僕にくれたもの〜【実話】 ( No.22 )
日時: 2013/06/20 23:12
名前: 七海 (ID: 9upNnIV5)

〜遥side〜

30分後、俺は病院の前に立っていた。

今更、俺が行ってもいいのだろうか・・・。

俺は悩んだ末に行くことにした。

考えた時間約五分。

郁の病室につき、思い足取りでドアを開ける。

その中にいたのは泣きじゃくっている菜摘と、

申し訳なさそうにしている医者と看護師だった。

その隙間から、寝ている郁が見える

菜摘がこっちを向いた。

菜「はっ・・・。はる、か」

泣きじゃくっているせいで言葉がとぎれとぎれだった。

・・・一体何が起こったんだ?

医「・・・全員揃いましたね・・・。只今11月18日木曜日、7時37分

  16秒に篠原 郁さんがお亡くなりになられました・・・・。」

・・・え?

俺はびっくりしてこの後の事は全く覚えていない。

ただただ、俺は今の医者の言葉が信じられなくて・・・。

信じたくなくて・・・。

遥「・・・嘘だ。」

俺は郁を見ながらポツリとつぶやいた。

菜「ホント、だよ?」

菜摘が手の甲でまぶたを抑えながら言う。

看護師が泣いていた。

医者はうつむいた。

遥「・・・嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!ドッキリだろ?なぁ!

  おい、郁ももう演技はいいから起きろよ!」

嫌だ、まだ伝えてないことがあるんだよ郁。

まだ生きてるだろ?なぁ!

菜「遥!」

菜摘は震える足で立っていた。

と、その時

パンっ!っと

菜摘が俺を殴った。

菜「信じたくないかもしれない、信じられないかもしれない。

  私だって信じたくない!・・・けど、これは現実なの。

  郁は死んだの!」

現実・・・、郁が死んだ・・・。

菜摘に言われて実感が湧いた。

・・・なんとも言葉では言い表せない気持ちだった。

郁にはもう一生会えない。

郁はどこを探しても、俺がどんなに良いことをしても、

もう、戻ってこない・・・?

俺の目から一筋の涙がこぼれた。

遥「・・・菜摘。」

俺は菜摘の方を向いた。

菜「大丈夫、私がいる」

菜摘はそういい、俺を抱きしめてくれた。

遥「・・・ありがとう。」

俺は泣いた。

郁を思い、過去を悔やみ、そして明日へと踏み出すために・・・。