コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜君が僕にくれたもの〜【実話】 ( No.28 )
- 日時: 2013/06/21 23:22
- 名前: 七海 (ID: .MCs8sIl)
〜遥side〜
郁が死んで一日目の朝。
空は憎いほどの快晴だ。
俺は、郁が死んだことは実感している。
けれども、やっぱり心のどこかで郁は生きているのでは!?
と期待してしまう。
菜摘が郁の病室の整理をしていた時にあるものを見つけた。
菜「・・・遥。これ。」
菜摘から渡されたもの。
それは手紙だった。
俺は衝動的に可愛らしい封筒から手紙を出した。
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遥へ
この手紙を読んでるって事はもう私は死んでいると思います。
でも遥にはどうしても伝えなくてはならないことがあります。
私、この前遥のこと『目障り』とか『嫌い』とか言ったよね?
でも、それは全部嘘だよ。
私は遥や菜摘がいてくれた時間だけ不思議と病気の事を忘れられた。
だから、『目障り』とか『嫌い』なんて1ミリも思ったことないよ?
ごめんね?嘘ついて。
でもこれは遥のためでもあるんだよ?
私は私の死によって誰かの未来を壊したくなかった。
遥は優しいからきっと私の死について永遠に考えちゃうと思ったの。
だから、わざと遥に嫌われるようなこと言ったの。
どう?これでもちょっとは頭使ったんだよ?(笑)
後、最後にひとつだけ・・・。
大好きだよ、遥。
昔もこの瞬間も、多分死ぬ間際もあなたの事を考えてると思う。
それくらい好き。
生きてる時に伝えられなくてごめん。
じゃあ遥、私の分まで幸せに生きて。
そして、またいつか出会えた時にはその話を聞かせてね?
遥たくさんの幸せをありがとう。
11月5日 篠原 郁
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読み終わった俺には後悔の波が押し寄せてきた。
なんであの時強がったんだ。
なんであの時俺はそこに留まらなかったんだ・・・。
しかし、すぐに郁の手紙の事を思い出した。
・・・郁の分まで幸せに生きるさ。
たくさんの楽しい出来事を話せる時が来るまで俺は生きる。
郁、俺の方こそありがとう。
俺も郁が大好きだ。
俺は病室から天を見上げてぽつりといった。
遥「郁、ありがとう」