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Re: 恋芽生え、愛咲く〜喜恋・悲恋〜【短編集】『7/14更新』 ( No.71 )
日時: 2013/07/15 17:52
名前: 珠紀 (ID: 3wndF1ru)

『恋愛ゲーム』【実話】

名取千歳 Chitose Natori

加賀湊 Minato Kaga

*Start*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大学生、家庭教師
加賀湊先生。

「ん?千歳ちゃん、今なんか言った?」
「だっ…だから私は先生のことがずっと好きでっ…その…よかったら付き合ってくださ」
「何言い出してんの?」

喋りの途中で遮られる。

「生徒に手出せる訳ないでしょ。問題起こしてクビになりたくないし」

湊先生はこちらに目も向けず、私の答案用紙に丸をつける。

「大体さぁ…千歳ちゃんせっかく16歳なんだからさー同年代の子とつきあった方がいいって」
「…」

『俺なんてオッサンオッサン』
そう言いながら手を横に振る。
…先生だってまだ19歳じゃん…

「先生っ!!私ーー…本気で好きなんです!」

私は湊先生の丸つけしている手を握り締める。

「…」
「!!」

急に立たれて私の後ろの椅子に手をつかれた。

「その本気で俺をその気にさせられんの?君にキスしたくてたまんなくなるぐらい、俺のことムラムラさせられんの?…無理でしょ」

そう言って私の顎をつかむ。

「俺、ロリコンの気全くないしさー」
「させられます!!ム…ムラムラ」

私だって…もう子供じゃないし…

「ーーーふーん、じゃあさ…勝負する?」

え?

「1週間以内に俺が千歳ちゃんにムラっとしてキスしちゃったら俺の負け…俺は千歳ちゃんと付き合う」
「やります!」

机に手を置き、勢いよく立ち上がる。

「でもその1週間は俺と目を合わせたら千歳ちゃんの負けだから」
「えーーーっ!!」
「なんかないと勝負盛り上がらないじゃん…どーする?やめとく?今の告白も別になかったことにしてあげるし」

やっと勇気を出して告白したのにーー…
なかったことにしたくないんじゃー!!

「やります」

ー次の日

「あんたバカ?」

学校で友達に相談をするとそんな言葉が返ってきた。

「大体目を合わせないでどーやってコミュニケーションを取る…ーーー…何?その紙切れ」

チョキチョキと紙を切る私。

「この紙吹雪を先生にぶつけて隙を作り、ムリヤリ唇を奪えば先生は私の彼氏!」
「…もういいよ…あんたがそれでいいなら」

ため息をつかれても気にしない。

「うん!」

確かに私は子供だけど、子供は子供なりに手段は選ばないってこと
見せてやるんだから!!

                  …***…

「そっちにある参考書取って」
「あ、はい」

ー午後8時
先生と勉強の時間。

よし!
今のチャンスに紙吹雪をバラまいて…

「何その箱」
「!!」

後ろを振り返ると湊先生の顔が真ん前。

「ちょっとー!!」
「ぅおっ」

思いっきり紙吹雪を入れたダンボールを湊先生の頭にかぶせる。

「何でいきなり至近距離にいんの!?目があっちゃうじゃないですか!?卑怯者ーーーっ」
「いや、そういう勝負だったじゃん」
「…」
「ってか卑怯ってどっちがだよ…この紙、何に使おうとしてたわけ?」

ギクッ

「あっあー!まだ紙がついてますよ」

話をそらして首についている紙をとろうとする。

「!?」

だけどその手はがっしりとつかまれた。

「口でとって」

……っは!?

「なっ…なんで!?」
「俺を紙くずだらけにした罰」
「ど、どうやってやれって言うんですか!?」
「自分で考えな」

…そ、そんなこと言われても…
うーん…

「……ふ、ふーーーー…」

私は息で紙吹雪を飛ばす。

「…」
「な…なんですか?その顔」
「いや、つまんないなー…って」
「じっじゃあ、先生はどーするんですか!?」
「俺だったら」

ーグッー

腰に手を回され先生との距離が近くなる。
それと同時に首に唇が触れた。

「こう…する」

下から見上げられ顔が真っ赤に染まる。
ーーーー油断できない

目が合いそうになり、先生の身体を引き剥がした。
…早く決着つけないと、確実に負ける。

ーしかしその後も何度か必死のアピールをするが…むなしく
先生がキスをする予兆なんてーーー…
全くなかった。

やっぱり私が子供だから
こんなに…相手にされないのかなぁ…

「なんか…やること全部裏目に出てる気がする」

目も合わせちゃだめ…
かといってキスしてもらえそうにないし…
このまま告白さえなかったことにされちゃうのかな…

「何泣いてんの」

いきなり声をかけられ後ろを振り返る。

「せん…せ」

先生の…指が頬にあたる…

無理だ。 

「!?」

先生の顔を持ち顔を私に向けさせる。

「先生、もうやめます」
「お前…何自分から目合わしてんだよ」
「もういいんです!」

こんなっ…
条件出された時点で脈がないのなんか分かりきっていた。

「私…限界なんです…1週間も…先生の顔を見れないのが辛いんです」
「じゃあ…終わり」

そう言うと私の頭をつかみキスをする湊先生。

「せん…!?」
「ーー…ごめんね優しくできなくて。好きな子をさ、もうめちゃくちゃいじめたくなっちゃうんだよ」

な…に
夢…?
好き…って

「俺のことで傷ついた顔とかされるとたまんなくて、すげーキスしたくなる」

そう言って私の頬を伝う涙を舐める。
恥ずかしすぎて目をぎゅっと瞑るとまたキスをされる。

「…キスをするとき目、閉じないで…。あともう先生って呼んじゃだめ、名前で呼んで」

耳元で呟かれる声にクラクラと意識が遠退く。

「おかしくなるくらい…すげー可愛い声でーーー…」

*End*ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー