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「ん……__？」

ふと、目を覚ました。
視界の先には木材で出来てあるであろろう天井。今自分は仰向けで何処かに寝転がっていて…ふかふかする。多分ベッドか。
「って、ここどこだ…？」
掛かっていた布団を剥がし、座る状態で辺りを見回した。
家具、小物……一般家庭と何の変わり用がない部屋に、少し開いた扉の向こうからは美味そうな匂いが漂ってくる。


「どっこいせ……ってうわああああああ！！！！？？？」
「きゃあっ！！！？？？」
ベッドから降りようとした瞬間、扉が一気に開き人影が出てきた。驚いて見事に体制を崩し床に落下、思いきり腰を打つ。

「うわっ、ちょっとそんな大きな声上げないでよ！　っあ、もうお目覚め？」
扉の向こうから出てきたのは、俺と歳は変わらないであろう明るいオレンジ色の大きな三編みをした美少女。
一瞬身を退いたが直ぐに此方に微笑み掛けた。
「いや、あのその前に…ここ、どこですかね？」
少し緊張しているのか謎の敬語を使う。恐らく今の俺は不気味に苦笑していて非常に滑稽だろう。
「あぁ、それはあたしが街で少し手合わせしてたらいきなり君が出てくるもんだからさー。驚いて飛び蹴り当てちゃった。ごめんなさいっ。あ、あたしはカナって言うの」
「は？　いや、あの、え？」



………彼女から暫しの説明を受け、まとめるとこんな感じだ。
街で戦う。俺がいきなり出てくる。勢いを止められず俺の顔面に飛び蹴りが直撃。俺が倒れたので家に持ち帰り看病……
「え、どういう事？」
「言った通り。」
確かに記憶は微かだが残っている。つまりあの時の足の主は目の前の人物という事だ。じゃあ…

「お前かよさっきの飛び蹴り女！！」
「はぁ！！！？　ごめんなさいって言ってるでしょうが！！」
怒りが満ちて立ち上がり怒鳴った。カナと言う奴はその態度が気に触ったのか此方に歩みこむ。
「俺はただの一般人！！　よくっもやってくれたな暴力女が！！！」
「あれは不可抗力でしょ！！　それぐらいでちっまちまうっさいわねぇ！　あんたが貧弱なのよ男の癖に情けないっての！！！」
「はぁあぁ！！！？？」
もうキレた、限界。こっちの身にもなれや！

「こんの………ゴリラ女がぁ！！！！」
「なっ……誰がゴリラだああぁぁぁぁああ！！！！」
「ぐふぁおうふぅ！！！！？？」
瞬間、あの女の握り拳が俺の頬にクリティカルヒット。
俺はまた倒れ、意識を失ったのであった。