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Re: 【オリキャラ】RPKG〜ロールプレイングクソゲーム〜【募集】 ( No.17 )
日時: 2013/07/11 23:08
名前: 猟之 ◆v/rTh0HxaQ (ID: Yv1mgiz3)

「もう、散々だよ全く…」
鬱陶しい程笑顔と活気が溢れている街通りをとぼとぼと歩く。
「あああ……マジでどうしよう…。」
道の中心にだらしなく立ち、頭を掻いて一つ溜め息を吐いた。
そう、時を遡れば数十分前…………__


*
「なっ、お前何いってんだよ!!? ふざけるのも大概に…」
「何? 文句あるならこれ、捨てるけど」
カナは「フッ」と俺を鼻で笑った後、片手で小型モニターを軽く投げたりして遊んでいる。
マズいぞ……。というか本当に返してくれるかもあやふやだし、万が一その格闘技大会で戦ったとしても俺の負けは目に見えている。
恐らくこんな条件を付けたのもあいつが、必ず俺に勝てると確信をつけているからであろう。くっ、何か悔しいぞっ…。


「よーし決定ね! 今日は適当に宿屋でも探す事ねっまた明日の午前十時に街の広場で待ってるわよ! という事でさっさと出て行きなさいよ」
カナは一度にっこりと笑いぺらぺら喋った後、俺の背中を蹴飛ばし漫画の様に家から追い出した。

「俺が貧弱男っつう訳かよ……__。」
蹴られた背中を手で擦り呟く。まぁ自分で言うのも何だが正しいだろう。
それより只の城の家来を勇者にして旅をさせる国王も国王で、はっきりと言わせて貰うと「無能」だ。
大丈夫なのかペテン王国よ。
全く、そもそも何でおちゃらけ国王なんかの為にこんな苦難を…いっその事逃亡してやろうか。…いや怖い。追っかけて来そうで怖い。もうなんか全部……



「全部国王のせいだこんちくしょおぉ……。」
そして現在に至る。
行く宛も無くただ歩くというのは非常に辛い。
「格闘技大会、かぁ……。」
あちらこちらには壁に『いよいよ開幕!! 格闘技大会は××月××日!!』と書かれた赤やオレンジのど派手なポスターが貼ってある。無駄に街が活気に満ちているのはこのせいか?

「ん……?」
と、ふと視界に入ったのは大きな店の中に一件ぽつんと佇む、古びた小さな武器屋。
格闘技って武器とか無しだろ…俺は一瞬でも寄ろうとでも思ったのか。

「あ、おーいそこの人!」
武器屋の裏側から少し人影が見え、そして同時に少女の高い声が聞こえた。
「ん………?」
「貴方も格闘技大会の出場者?」
良く見ると俺とは少し年下だと思われる、ウェーブが掛かった肩までの茶髪の少女が手招きをしている。
俺は何となく大会というワードに引っ掛かり近づいていった。

「ふーん、意外ですねーとても戦ってる身体とは思えませんけど」
「ま、まぁ……な」
正論なので苦笑いしか返せない。
「じゃあちょいとうちに寄って行きません!? 中々良い品揃えしてますよ〜」
少女はにやっと笑うと俺の腕を掴み引っ張る。
「え!? ちょっ、そもそも格闘技は武器なんて……__」
「あぁーもしかしてこの街来るの初めてですか? まぁゆっくりしていきましょう」
「ほーほー」と関心する様に首を縦に振ると、彼女はそのまま俺の腕を強く掴み店内へと引きずりこんでいった。