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Re: 【少し】RPKG〜ロールプレイングクソゲーム〜【お知らせ】 ( No.31 )
日時: 2013/07/13 19:36
名前: 猟之 ◆v/rTh0HxaQ (ID: Yv1mgiz3)
参照: 今回はいつにもまして文章が糞ですorz

「うわぁあぁ……本当に来ちまったよぉお……__」

格闘技大会当日……__まるで魔法陣の様な模様が描かれた円形の大きな石畳で覆われた会場の上に立ち、ガタガタと足を震わせる俺がいた。
昨日の街の活気など目じゃない程に辺りは人だかりが尋常じゃなく、参加者と思われる人々の中には筋肉もりもりの巨体な男や、ライフルやら爆弾やら殺戮兵器を持っている奴もしばしば。
「無理だって俺死ぬから死ぬ死ぬ………__」
思い返すと、今朝になる………__


「さぁーってと! これで装備はバッチリですよ!」
「へ、あ、は…おお終わったのか………?」
アリスは一睡もさせる事無く作業を続け、俺を服の至る所を改造した。
見た所何処も変わり様は無いが、アリスは自信ありげに「ふふん」と声を漏らし、手を腰にあてる。俺すら寝てなくてふっらふらで目がギンギン赤いのに、何故彼女はあんなに元気なのだろうか。

「どうしたんですかクラマさん、目がウサギみたいになってますよ?」
「例えは可愛いけどさぁ…これマジ辛いんだぞぉ…」
「あ、あとこれ持ってて下さい」
アリスはそう言って俺の片手に握らせたのは、掌サイズのいかにもな赤いスイッチ。
「え、何これ………。」
「これは本当にピンチの時に使って下さいね! 秘密兵器が発動します!」
またアリスは誇らしげな笑顔を此方に向けた。怪しい気がするのだが。

「あ! でも武器は持ってた方がいいですよね、これタダであげるんで使って下さい」
「え、いいのか!? ありがと……__」
久しぶりに大きく声を張り叫んだ後、もう片方の手にポンと置かれたのは……
…両端に黄色くニコニコマークが施された、赤いピコピコハンマー。

「………………おい」
「何ですか?」
ただ下を向き呟く俺に、アリスは白々しくも見える笑顔で聞いた。
「これ武器じゃないよな完全におもちゃだよな!!?? ニコちゃんマークとか余計腹立つんだよ!! こんなん叩いたらピコッて音鳴るだけで何も出来ないから!! ふざけてんのかお前!!!」
「ちょっと煩いです…ここ店内ですよ?」
散々に叫ぶ俺を、アリスは呆れた様な目で見て呟く。誰のせいだと思ってんだ。
「ていうかクラマさんピコピコハンマー馬鹿にしてません!? これだから最近の若者は困るんですって!!」
しかも逆ギレしてきた。あんたも充分最近の若者だし馬鹿にされてるのはこっちだよ全く……__。



「あぁあぁ………。」
そんなこんなで結局ピコピコハンマーを持ち、会場に立っているという訳だ。
とにかく浮いている。恥ずかしすぎる。

「おい、そこどけよ」
「ひぃっ!!?」
いきなり背後からドス濃い声が聞こえたと同時に、頭上に影が出来た。
情けない声を上げ振り替えると、そこにはナイフやら銃やらを身に纏ったスキンヘッドの太った巨体男。
俺は恐怖に煽られ顔は真っ青になり、携帯電話の様にブルブルと震えて目にはうっすらと涙を溜めながら上を眺め、立ち尽くす。
「おいおい何だそれ、おもちゃか? ぷぷっ!! おこちゃまはお家に帰ってママのお乳でも飲んでな!」
「なっ………!!!」
男は俺のピコピコハンマーを見て、眉を八の字に曲げて含み笑いをしながら言った。少し怒りの衝動に駆られたが…まあこんな武器持ってる奴は馬鹿げてるよな…不覚ながら刃向かえない。


「ふーん、んじゃあんたは養豚場でお仲間のブタさんと一緒に戯れてればどう?」
ふと、男の背後から聞き覚えのある少女の声が聞こえた。
「んなっ……何だとごらっ…っ!!!???」
「えっ!!?」
予想通り声の主はカナ。男はバッと振り替えるが、カナの姿を見た瞬間に固まる。
「何? それとも何か文句あんの…?」
「い、いえ? 何にもアリマセンヨ!? でわ!!!」
カナを腰に手をあて黒い笑みを向けた途端、男は冷や汗をかきつつ人混みの中に紛れて去っていった。


「………………。」
俺はそれを見て唖然と口を開ける。これは助けて貰ったのであろうか…。
「にしても、クラマって言ったっけ? よく来たねー逃げるかと思った」
「お、お!? あ、あぁ当たり前だろ男に二言は……__」
「ここは物騒な奴多いからさ。まぁあんたもニコちゃんなりに頑張りなよっ……!! くくっ…」
俺はふと我に帰り焦って返答したが、カナは俺の所持しているピコピコハンマーを見て先程の男と同じ様に含み笑いをした。

「なっ!!? お前いい加減に……__」
『間もなく格闘技大会が開幕します。参加者は……__』
タイミングばっちりにアナウンスで言葉を遮られる。
「……………………。」
「あ、そろそろ始まるね! んじゃまた会いましょ、検討を祈ってるわ」
カナは小さく手を振り、人混みへと歩いて行った。


「あぁ、もうやだ……__」
結局俺ははピコピコハンマーと謎のスイッチだけを武器に、格闘技大会へと挑むのであった。