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Re: 【少し】RPKG〜ロールプレイングクソゲーム〜【お知らせ】 ( No.40 )
日時: 2013/07/15 13:24
名前: 猟之 ◆v/rTh0HxaQ (ID: Yv1mgiz3)

「どうしたチビィ、かかってこねぇのかぁ? あぁん?」
「ひ……はひっ………__」
モヒカン男は嘗めた様に此方を見て、ニヤニヤとしながら一歩も動かない。
一方俺はと言うと男に視線を外したくても外せなく、恐怖心に満ちて苦笑しか出来ない状態に陥っている。
響く歓声。そしてそれに混じって聞こえる罵声。
俺等がさっさと戦わないから観客も怒鳴っているのだろう。まぁ格闘技大会を見る為に来たのだ、気持ちは分からない事も無いが俺は格闘とか未経験なんだ。勘弁してくれ。


『おーっとクラマ選手、相手に睨みを効かしているー!! 両者一歩も譲らない!!』
ちげーよーー!!!?? 実況者余計な事言うなよクソっ!!!
「なんだぁ? こねぇならこっちから行くぜ!?」
「ひっ、ひょぇえぇえ!!!?」
男は肩に担いでいたライフルを構える。
俺もこれはビビって変な叫び声を上げた。観客は徐々に「バッドエンドー!」と歓声を街中に響かせていく。

ここで俺は死の覚悟をした。今までありがとう、父さん母さん。あと国王。そんなにお世話になってないけど、ありがとう。


「クラマぁあぁあぁーーー!!! 私忘れてんじゃないでしょうねぇえぇーー!!!!」


叫び声の主は、カナだった。
会場中はざわつきに包まれる。って…あぁ。
あ、ありがとう、そんなお世話なってないけど…ゴリラおん……__
「殴るわよ!!!!???」
そういう事じゃなかった!? て言うか心読まれてんじゃんか!! 何あの女!!

「チッ、何だあの女……っん?」
「うぉおぉおぉおぉおぉーーーー!!!!」
もう吹っ切れた……! この際どうなってもいい。
男が後ろを振り替えっている隙にピコピコハンマーを構えて走る。
「ああああああああああああああーーーーーーー!!!!」
「うぉっ!!?」



『ピコッ。』



…男の額にピコピコハンマーを当てて、音は小さく鳴った………__

「「…………………………。」」

…………ピコピコハンマーなの忘れてたぁあぁあぁあぁあぁ!!!!????
会場は静寂に包まれる。……どうしよう……




…そしてそれは、一瞬の事だった。
ピコピコハンマーは男の額にそのままめり込み、盛大な爆破音と共に辺りは煙に包まれた。
そして暫くすると煙は消え、視界に見えたのは倒れこんだモヒカン男……え。

『こっ、これは……クラマ=ラングリッジの勝利ぃいぃいぃ!!!!』
えええええええええーーーーー!!!!???? まさかのぉおぉおぉおぉーーー!!???
そして一斉に拍手の嵐は舞う。えっ、まじ…このピコピコハンマー何!!? アリスの奴何したんだ!?


*
そして、このピコピコハンマーのお陰でクラマは最後の決勝進出……
「てえぇえぇえぇ!!!??」
えっナレーションえっ!!? ちょっえ!!? 頭大丈夫!?

「クラマぁ……暴走し過ぎ」
「へっ!!!??」
俺は何故か最後の決勝戦のステージへと立っていた。そして相手はカナ。
あいつも勝ち進んだのか…ありがとうアリス…感謝するよ……__
「まさか本当に勝ち進むとはね! まぁそうでなくっちゃ面白くないし〜」
「いや……驚きたいのはこっちだしちょっと展開が早すぎるから『それでは決勝戦……スタートです!!』

まだステージの上で足を震わせる俺など気にも止めず、決勝戦の幕は上がったのであった。