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Re: RPKG〜ロールプレイングクソゲーム〜【コメください】 ( No.5 )
日時: 2013/07/06 20:51
名前: 猟之 ◆v/rTh0HxaQ (ID: sE.KM5jw)

「んじゃー多分その森を西に行ったら街あると思うから〜っ…て、西ってどっちだよおい」


「くっ、おちゃらけ国王が……__」
数分前、国王の気だるそうな言葉を聞いた直後に俺はモニターの電源を即座に切った。もう嫌だ顔も合わせたくねぇ。
唯一会話が出来ると言うこの小型モニターとやらをぶん投げて捨ててやろうとも思ったが、それもそれでただの家来の俺が姫を救うという重要で絶望的な目的の趣旨が変わってしまうのでグッと堪えている。


「………ん、見えてきたか…」
恐らく他人から見たら陸にいる魚とさぞ変わりようの無い垂れ下がった表情からその一言が漏れた。
エンドレスに続くかと思われた、森の枝や草をかき分け、たまに足元に出現する蛇を踏んづける繰り返しから、太陽の光と微かに活気溢れる人々の声が耳に、そして装備の一つも無い露出した肌に染み込む。

……これは辛い。城内で暫く勤めていてさほど気には留めなかったが、改めて俺に過酷な夏の始まりが来ていると実感させるには充分過ぎたものだった。
「まずは装備屋と……仲間集めだな」
額から流れる汗を手の甲で瞬時に拭い、ふらつく体で側にあった木にもたれる。
レベル一で経験値が3(蛇を三回踏みつけたのをカウントし)、そしてただの城に使える家来という、このまま進んだら完全死亡フラグ立ってる俺にとってはそれが一番先決だと判断し、街に向かい力無き一歩を踏み出した。