コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【オリキャラ】RPKG〜ロールプレイングクソゲーム〜【募集】 ( No.9 )
- 日時: 2013/07/08 18:45
- 名前: 猟之 ◆v/rTh0HxaQ (ID: Yv1mgiz3)
「はぁーはぁー………___暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑」
『るっせぇな。お前がヘコたれてるだけだろがボケ』
森を抜け出し暫し歩くと「カツン」という音と共に、街の石畳に一歩踏み入れる。
既に体中に浸透しきっている日差しの体温、とても耳障りな街の人々の大きく活気盛んな歓声、そして大きさは劣るがそれより遥かに耳障りなモニター越しでぼやいている国王の声で俺の苛立ちは現在最高潮に達していた。
「いやさっきからブツブツ唱えてる俺も悪いんスけど今はそっとしておいてくださいマジで」
不気味に口角を上げ、乾ききった声でモニターに視線を合わせる事も無く喋りかける。
「まぁまぁ今俺はあれだろ? カーナビ的なあれ? 現在の場所は〜的なあれ?」
言いたい事は大体分かるけどもっと良い説明の仕方はないのだろうか。
「この街の案内してくれるんでしょう?」
『そーそー。冴えてるなぁ〜。国王!!! の俺が案内してやるといってんだ、感謝しろ』
「国王」を強調し過ぎて可笑しい事になっている。付け髭をいじる姿も大分いらっと来る。だが本人は「はー? これ付け髭とかじゃねーしーそういうのねーしー本物だしー天然モノだしー」と威張っていて付け髭という事を全否定している様だ。
付け髭を外せば普通にモテてもいい顔つきなのだが、何故か四六時中付けている。しかも本物等と言い張っているわりには毎日日替わりで、色や形も異なっている為デリカシーの無い様だがある日聞いてみたのだ。すると「変形してんだよ」と意味不明な言い訳をしてくるのでそれ以来そっとしておいた。
『ん、どーした?』
「いや、何でも無いです…にしても…」
普通に人気がある街なら賑わっても良いのだが、先はどうも異常に盛り上がり歓声の中には「うおー!」やら「きやー!」等と叫び声が混ざっている。
「なんかイベントでもやってるんですか…?」
『まー行ってみろよ』
店が立ち並ぶ一本道を通り、見えてきたのは人だかり。つい「うへぇ……」と声が漏れたが、人をかき分け進んだ。人混みは案の定暑い。俺生きていけんのかこの時間。
「よしっ、一番前へ………」
「とりゃあああああああああーー!!! …っへ?」
必死に進み最初に目に入った光景は、白く細い、一本の足。
よく覚えてはいないが、その時はもう遅かった。
覚えているとしたら、その足に蹴られ顔面にめりこんだ事、一人の少女の驚き叫ぶ声、国王の『あぁあ……』と気だるそうな声位だ。俺の視界はいつの間にか真っ暗になっていったのだった…