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Re: 逆ギレマスカット【大地のイラスト描いてみました(*≧艸≦)】 ( No.189 )
日時: 2013/08/13 16:14
名前: 冬の雫 (ID: 4M4hyAMx)

俺は姫ちゃんに告白しようとした。
覚悟を決めた。

でもなかなか言えなくて、俺は言葉に詰まってた。

そしたら……

「わたしのこと、好きなら好きってちゃんと言いなさいよ」

神様、姫ちゃんは人の心を見透かす超能力者ですか?


15恋に揺れる花


「ちょっ……、えぇ!?」

わたしが大地に告げると、大地は顔を真っ赤にして混乱していた。

…なんていじりがいのあるヤツ…。

「いっ…、いつから!?」
「知ってたわよ、前から。…あんたって、わかりやすいんだもん」

わたしがわざとらしくそう言うと、大地は「うわぁ〜……恥ずかしい」と頭を抱えた。

……というか、大地が持っているおにぎり落ちそうなんだけど。

「………で?」
「ん?」
「姫ちゃんの…返事は?」

大地が頭を抱えたまま、上目遣いでこっちを見てくる。
もうどうにでもなれ、という感じだ。

………返事…ねぇ……。

「……わたしに好きな人なんかいないわよ」

うつむき加減にそう呟くと、大地は目を細めてわたしをジーッと見つめた。

その意味ありげな行為に、「な、なによ…」と少し身構える。

「…姫ちゃん……ウソついてるよ」
「……はっ?」
「姫ちゃんは好きな人いるじゃん」

大地はそう言って、「もしかして気付いてないの?」とわたしに詰め寄る。

「気付いてないって…、わたしに好きな人なんか……、」
「いるじゃん」
「……いないわよ。誰よ、それ」

なるべく強がってはいるものの───わたしは結構、混乱していた。

好きな人?
わたしの………?

「……それは…、」

大地は言おうとして、「……うーん…やっぱやめた」と口をつぐんだ。

少し期待してたわたしは、拍子抜けする。

「はっ?言いなさいよ!」
「やだ。姫ちゃんが自分で気付いた方がいいよ」
「あんたいつからわたしより上になったのよ!」
「えぇっ!?」

俺姫ちゃんより下だったの!?と大地が言うので、当たり前じゃん、と返してやった。

───そして、「教えなさいよ」と今度はわたしが大地に詰め寄る。

「…ぅ……、
───……あっ、天道!姫ちゃん、俺 天道に用事あるからまたね!」
「…はぁっ!?」

高良なんてどこにもいないじゃない!

わたしはそう言おうと思ったが、もう時はすでに遅く、大地はお弁当を持ってどこかへ行ってしまった。

「……ちょ…、えぇー……」

意味深な言葉を残して消えた大地。
大地のクセに…わたしに逆らうなんて。

「…………好きな人……」

わたしにそんな人なんていない。

───そう、信じたかった。

「………マスカット…」

そう呟いてみる。

すると───わたしの顔に、どんどん熱が集まっていくのが自分でもわかった。

「……へっ…?」

頬を手で隠して、慌てて下を向く。

………ウソ、わたし……


マスカットを思って、顔が赤くなった……?


気付けば、胸もドキドキしていた。ありえない状況に、まだ現実を受け止められない。

……ふ、不整脈!

これは不整脈よ!うん!

そう自分に言い聞かせるが───顔が熱くなったのは、確実に不整脈のせいではなかった。



これは───俗にいう、『恋』。



やっと気付いた



好きなキモチ。